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SWIFTとは?貿易・海外送金に欠かせないSWIFTを解説

海外送金に欠かせないSWIFTを解説

今回はSWIFTについて解説します。
ロシアやイランに対する経済制裁で、一部銀行をSWIFTから排除するというニュースで有名になりました。
輸入などで海外に送金する人なら「SWIFTコード?」とピンと来たかもかもしれません。そう、そのSWIFTです!
貿易決済や海外送金のときに出てくる用語。
SWIFTとは何か、海外送金のしくみをわかりやすく解説します。

SWIFTとは何か?

SWIFTとは国際銀行間通信協会 (Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication) の頭文字を並べた言葉です。日本語ではスイフト。
SWIFTは団体の名前であると同時に、運営する金融ネットワークシステムの意味でも使われます。

SWIFTという組織

SWIFTは1973年創立のベルギーに本部を置く非営利組織、いわば世界的な銀行協同組合みたいな性格の団体です。
SWIFTが運営する国際金融ネットワークは、200以上の国・地域で1万1千以上の金融機関等が利用しています。政治的には中立的なグローバル組織です。

SWIFTネット

SWIFTは外国への送金を扱う国際的なネットワークを運営しています。
といってもお金をプールしたり取引したりしているわけではなく、金融機関間で国際金融取引についてのメッセージをやり取りするためのプラットフォームです。
電信送金(T/T)のほか、信用状(L/C)もSWIFT上で伝達されています。
外国為替(別の通貨を使う国との間の決済のこと、略して外為)の決済に欠かせないシステムなのです。

SWIFTがなかったら?

「え? メッセージをやり取りするだけ?」って感じでしょうか?
具体的には次章で紹介しますが、SWIFTを使えばシステムでつながっている世界中の銀行に簡単に送金することができます。
SWIFTがないと、送金するには送金先の銀行に1件ずつ個別に連絡を取ることになり、事務処理が大変で時間もかかります。
また、送金元銀行と送金先銀行との間で直接取引ができなければ、輸入代金を払えないということもありえるのです。
同様のシステムとしてはほかに、中国が持つCIPSという人民元の国際決済システムがありますが、国際的な取引のほとんどがSWIFTを通じて決済されています。

銀行の海外送金のしくみ

SWIFTを使って日本から海外口座に送金するときの流れは次の通りです。

① 送金元の銀行 ← (日本)依頼人
↓ (SWIFT)
② 送金先の銀行 → (A国)受取人

① 依頼人が送金を依頼すると、依頼を受けた銀行が「この口座にいくら送金するよ」というメッセージをSWIFT上で送金先の銀行に送付
② メッセージに従って送金先銀行が受取人口座に入金
送金といっても、飛行機で実際にドル紙幣を運ぶわけではありません。
実際の現金の流れは、依頼人→日本の銀行と、A国の銀行→受取人。
日本の銀行とA国の銀行の間では金融機関間の決済システムを使って清算します。後日まとめて清算するのが一般的です。

中継銀行とは?

送金元銀行と送金先銀行の間に直接取引がない場合もあります。
その場合には、取引のある銀行を間に挟んで送金します。これが中継銀行(コルレス銀行)です。

① 送金元の銀行 ← (日本)依頼人
↓ (SWIFT)
② 中継銀行
↓ (SWIFT)
③ 送金先の銀行 → (A国)受取人

複数の中継銀行をつないで送金する場合もあります。
マイナーな国の地方銀行への送金でもSWIFTに参加していれば可能なのです。

SWIFTコードとは何か?

海外送金する人が直接SWIFTに接する場面、それがSWIFTコードです。
SWIFTコードとは、SWIFTのシステムで金融機関を識別するためのコードのこと。別名BICです。8桁もしくは11桁のアルファベットと数字で構成されていて、支店まで特定できます。
送金手続きをするときには、送金先の銀行名・支店名・口座番号、銀行の住所と合わせて、送金先銀行のSWIFTコードが必要です。
世界共通のコードなので、振込先の人に聞いて用意しておきましょう。

IBANコード、ABAコードとは?

SWIFTコードのほかに、IBANやABAという番号が出てくることもあります。
SWIFTコードが世界共通なのに対して、IBANはヨーロッパ、ABAはアメリカで使われている銀行や口座を示す番号です。
送金先の地域がIBANやABAを使っている場合、送金時にこれらの情報も必要になります。

SWIFT gpiで銀行送金を使いやすく

SWIFTは海外送金の事務処理を効率化するしくみですが、現代から見るといろいろな難点があります。
・時間がかかる(通常は2-3営業日)
・費用が高い
・送金の状態が途中で追跡できない
・中継銀行手数料(コルレスチャージ)が着金するまで分からない
特に最後の点は、送金後に予想外の費用が発生して、貿易の代金決済のトラブルの原因になっています。

SWIFT gpiとは?

これらの問題点に対応するのが2020年に本格展開を開始したSWIFT gpi (global payments innovation) です。
「トラッカー」という追跡機能を導入し、主に以下の確保を目指しています。
(1) 国際送金の即日着金
(2) 手数料の透明性
(3) 送金の追跡可能性
口座に入金するまでのスピードは、54%が30分以内、92%が24時間以内と大幅に短縮(2020年10月、出典SWIFT)。
また、送金が今どこの中継銀行を経由しているか、リアルタイムで把握できるようになりました。
対応できるのはgpiに参加している金融機関に限られますが、迅速に少ないストレスで海外送金ができるように変化してきています。

SWIFTとは貿易決済の基本インフラ

SWIFTとは外国への送金を扱う国際金融ネットワークです。国際金融、貿易決済を支える基本インフラになっています。
個人の少額送金ではWiseなどの海外送金サービスが充実してきましたが、貿易決済は金額が大きいことや高い信頼性が求められるという理由で、銀行での送金が基本。
SWIFT抜きでは海外との貿易ができないくらい、世界中が頼りにしているシステムなのです。

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