Air Waybillの意味とは？項目の見方と追跡の方法

Air Waybillの意味とは？

貿易の手続きにはInvoiceやB/Lなど、似たような重要書類がいくつかあります。
Air Waybillもその一つ。AWBと略し、日本語では航空貨物運送状といいます。
Air Waybillとは何でしょうか？
どういう意味がある書類かという点や、B/Lとの違い、使い方などを解説します。
項目の見方や追跡の方法も紹介。

Air Waybillとは？

Air Waybillは航空機で輸出・輸入するときの船積書類の一つです。
輸入者はインボイスやパッキングリストと一緒に、輸出者から受け取ります。
意味合いとしては運送会社（航空会社）が発行する貨物の預かり証。
船で輸送するときのB/L（Bill of Lading、船荷証券）の代わりのような位置付けです。
DHLやFedEx、EMSなどでは伝票がAir Waybillを兼ねていて、運送状・送り状などと呼ばれています。

B/Lとの機能の違いとは？

Air Waybillには2つの機能があります。
○貨物の運送契約を表示
○貨物の預かり証
B/LにあってAir Waybillにないのが以下の機能です。
×有価証券としての側面があり転売が可能
×書類と交換で貨物を渡してもらえる貨物の引換証としての役割

Air Waybillを使う意味とは？

海上輸送で使うB/Lは原本（オリジナルB/L）が必要です。輸入者がB/Lを先にクーリエなどで受け取り、運送会社に渡して貨物と引き換えます。
ところが航空便では、貨物が港に着くより前にB/Lを受け取ることができません。貨物は到着しているのに、書類を持ち込んで受け取るまでに時間がかかってしまうのです。
そこで航空貨物で使うのがAir Waybill（航空貨物運送状）。
Air Waybillには貨物の引換証としての機能がないので、B/Lと異なり原本を渡す必要がなく、貨物到着後すぐに引き取りが可能になります。

L/Cは注意！

L/C決済を使う取引では注意が必要です。
L/C決済とは代金回収のリスクを回避するために、銀行を介して代金と商品を同時に引き渡す決済方法。
ところがAir Waybillでは荷受人は原本なしで貨物を引き取れるため、代金と貨物が引き換えになりません。
このため、L/C決済の取引ではB/Lを使い、B/Lと代金を同時に引き渡すのが原則です。
例外的に航空便でL/C決済を使う場合には、L/Cに”Air Waybill acceptable”の条項を入れる必要があります。

Air Waybillの使い方

Air Waybillの発行タイミングは、航空会社が貨物を預かったときです。
フォワーダーを使う場合には、Air Waybillは航空会社からフォワーダー経由で輸出者に届けられます。
Air Waybillは原本が必要ないので、輸出者は輸入者にFAXやPDFなどでコピーを送るのが一般的です。

航空貨物の受け取り方法

貨物を引き取るときは、輸入者がAir Waybillに記載されている荷受人(Consignee)だと確認してもらうことで、貨物を受け取れます。
Air Waybillのコピーをフォワーダーに示すとスムーズです。
貨物の引換証は必要ありません。オリジナルB/Lや、Sea Waybill（海上運送状）のように荷受人がサインした到着案内(Arrival Notice)は不要なのです。

Air Waybillの項目の意味

Air WaybillにはIATA（国際航空運送協会）が決めた統一様式があります。
DHLやFedExなどのクーリエやEMSの伝票は若干フォームが違うので、各社のWEBサイトにあるサンプル・記入例をチェックしてください。

Air Waybillの読み方

Air Waybillには以下のような内容が記載されています。
・AWB番号
・荷送人の情報（名称、住所、TELなど）
・荷受人(Consignee)の情報（名称、住所、TELなど）
・AWB発行者の情報（名称、住所など）
・出発・到着空港名、航空会社・便名
・取扱注意情報、荷受人以外の着荷通知先(Notify party)の名称・住所など
・通貨、運賃元払い・着払い
・品物の個数、数量、運賃適用重量、適用運賃レート、運賃
・品名、貨物のサイズ、原産地など
・その他の費用
・元払い料金、着払い料金の内訳と合計
・AWB発行日付・場所

金額の記載はどこ？

Air Waybillを読み解こうとして、金額の欄に情報がないのに戸惑った人もいるでしょう。
運賃の欄は”As arranged”などと記載されている場合があります。
輸出者が手配した運送便の費用は、輸出者のコスト内訳の一部なので、輸入者に知らせたくありません。そんなときにはAir Waybill上に記載しないのが一般的です。

Air Waybillを使った追跡方法

貿易貨物がいつ頃届くか気になるときには、いまどこに荷物があるか宅配便のように追跡することができます。
航空貨物の場合には、AWB番号で追跡。
フォワーダー、国際宅配便などの各社のWEBサイトで確認できます。
・日通（こちら）
・近鉄エクスプレス（こちら）

Air Waybillには種類がある

AWB番号を入力するときには、Air Waybillの種類に注意。
Air Waybillには、Master Air Waybill(MAWB)とHouse Air Waybill(HAWB)があります。
MAWBは航空会社が発行するAir Waybill。
フォワーダーがコンテナに貨物を混載する場合には、航空会社からフォワーダーに発行されます。
もう一方のHAWBは、このMAWBを受けてフォワーダーから荷主に発行するAir Waybillです。
小口の荷物など、混載貨物を追跡するときには、HAWBを入力。
フォワーダーの追跡サービスでは入力ボックスの近くに”House Air Waybill number”や”HAWB no.”などと書かれています。
”Master Air Waybill Number”などと書かれている場合にはMAWB番号が必要です。

Air Waybillとは航空貨物の運送状

Air Waybillとは航空貨物運送状、航空貨物でB/Lの代わりに使われる運送状です。
B/Lと違ってAir Waybillを転売することはできませんが、貨物を引き取るのに原本がいらないので手続きが簡単。迅速に受け取ることができます。
Air Waybillは航空輸送のスピードに合った貿易書類なのです。