ドイツのバカンス事情を解説！長期休暇の制度、日数・時期・場所は？

ドイツのバカンスの過ごし方

ドイツのバカンス事情について解説します。
ドイツでバカンスといえば海です！
バカンスの期間は2～3週間。家族でコテージを借りて長期滞在します。
観光に動き回る日本の旅行とは違い、ビーチでのんびり日光浴しながら過ごすのが定番です。

ドイツの長期休暇制度

数週間のバカンスを可能にしているのはどんな休暇制度なのでしょうか？

ドイツの有給休暇の日数

まず有給休暇の日数をチェックしましょう。
ドイツの連邦休暇法によると、有給休暇の日数は最低24日。週5日勤務の場合は20日です。
これだけ見ると日本の20日（継続勤務6.5年以上）と変わりませんが、これはあくまでも最低レベル。
多くの会社員には年間30日間の有給休暇が付与されています。

ドイツの有給消化率

エクスペディアが2022年発表した「有給休暇の国際比較調査」によると、2021年のドイツの有給休暇取得状況は支給日数30日のうち28日を取得して取得率93%です。
（日本は20日支給・12日取得で取得率60%）
別の調査によれば有休消化率は100%！
繰り越し制度がない会社もあるくらいで、会社にとっても働く人にとっても全部消化するのが常識になっています。
ちなみに病気による欠勤は別カウントなので有休を使い切っても心配はいりません。

2週間以上の連続休暇がルール

連邦休暇法は「有給休暇を2週間連続で与える」ということも定めています。フランスのバカンス法と似たようなルールです。
ほとんどの人が夏のバカンスシーズンに長期休暇を取るため、ドイツの会社では半年前（つまり冬）から日程調整をして休暇スケジュールを決めます。
家族を大事にするドイツ人でもあり、早くにコテージなどの予約を入れて、計画通りに長期休暇を取得するのが基本です。忙しくて休暇が取れないのは自己管理能力が低いと見られてしまいます。

ドイツのバカンス時期は？

ドイツでは祝日も学校の休みの時期も州によって分かれています。
ドイツ全土の祝日は9日（常に日曜日の祝日を除く）ですが、このほかに州や市による祝祭日が1日～5日あります。

夏休み

ドイツのバカンスシーズンは夏です。時期は6月下旬から9月上旬。
比較的シーズンが長いのは、学校の6週間の夏休みを州ごとに重ならないようにずらしているためです。
学齢期の子供がいる人は学校の休みに合わせてバカンスに出掛けます。
子供がいない人は時期をずらす人も多いです。

クリスマス

ドイツで重要なもう一つの休暇時期はクリスマスです。
クリスマスは12月25日・26日が祝日。イブの24日と年末の31日は有給の休日にする会社が多く、クリスマスの少し前から1月1日の祝日まで休むのが一般的です。
飲食店以外の商店は、日祝日は常に休みで、12月24日と31日は短時間営業のことが多く、この時期は閉まっている日が多いので注意してください。

イースター、カーニバル

イースターは春のホリデーシーズンです。4連休なので、ドイツに旅行に行くときには注意。
日程は毎年大幅に変わるのでチェックしてください。
このほか2月にはカーニバルで盛り上がる地方もあります。デュッセルドルフやケルンなどでは会社や学校が休みになります。

ドイツのバカンスで人気の場所は？

ドイツでバカンスに重要なのは太陽！そしてビーチ！です。
夏が短いからか、日光浴をしている人をよく見かけます。日焼けは充実した生活で健康的にバカンスを楽しんだ証拠と考えられているのです。

海外の旅行先

ドイツの人のバカンスの行き先は海外が7割以上を占めます。
その内の半分は地中海沿岸。太陽溢れる南ヨーロッパです。
休暇旅行先の1位はスペイン。中でもマヨルカ島（マジョルカ島）はドイツのハワイと呼ばれるほど定番の旅行先です。
以下、イタリア、トルコが続きます。（JNTO 訪日旅行誘致ハンドブック 2020より）
ビーチリゾートがある南の島が大人気。ほかにギリシャ、フランスなどもドイツからの観光客が多いところです。

ドイツ国内

ドイツにも海があります！　ドイツの北部はバルト海と北海に接していて、ズュルト島やウーゼドム島などのビーチリゾートが人気です。
水辺を求めて湖に行く人も多く、ドイツの南にあるボーデン湖も人気の旅行先です。

ドイツのバカンスシーズンに注意

夏には多くのドイツの人がビーチなどにバカンスに出掛けます。
小さな商店はその間休業です。が、休暇の時期は2～3カ月間に分散しているので、日祝日を除けば、店が開いてなくて旅行で困るようなことはありません。
一方で、仕事ではバカンスシーズンは要注意。夏休みとクリスマス・年末は2週間以上仕事が止まるので、仕事相手の休暇予定を早めに確認することをおすすめします。