EMS(国際スピード郵便)とは?サービス・使い方と国際宅配便との違い
EMSとはどんなサービス?
海外に荷物を送る、海外の店舗やネット通販などから個人輸入するというときに、価格とスピードが手ごろで使いやすいのがEMSです。
EMSとは国際スピード郵便(Express Mail Service)のこと。
最短2日で届く最速の国際郵便です。
EMSのサービスの内容と使い方、国際宅配便との違いを見ていきましょう。
EMSは国際郵便の一種
EMSとは書類や重量30kgまでの荷物を世界120カ国以上にスピーディーに送ることができる海外配送サービスです。
国際的な郵便局のネットワークを使って手紙や荷物を届ける国際郵便の一種。
郵便なので手紙も同封可能です。
日本では日本郵便が提供しています。
EMSは国際宅配便のようなサービス
EMSは一方で国際宅配便(クーリエ)と同じように使われています。
集荷から配達までDoor to doorで配送。国内の宅急便やゆうパックのような感覚で簡単に使えるサービスです。
輸出・輸入の手続きもしてくれるので、ユーザーの手間はモノを発送するときの書類作成だけ。
輸出・輸入の諸費用も運送料金に含まれています。関税・消費税は別払い。
(関税が高額な場合は手続きが別:次章参照)
追跡番号で配達状態の調査もできます。国際郵便で郵便物の追跡ができるのはEMSだけです。
日本から海外へのEMSの送り方
国内の宅配便と同じ感覚で使えるEMSですが、国境を越える手続きがあるので、モノを発送するときには書類の作成が必要です。
書類のみを送る場合にはEMSラベルだけでOK。
1. EMSで送れるか確認
まずEMSで発送できる送り先と内容物かどうかを郵便局のWEBサイトでチェック。
香水や花火などの危険物、輸入が禁止されているものは送れません。
2. EMSラベルなどを入手
EMSラベル(記入用伝票)など送付に必要なものを郵便局で入手します。
梱包部材が欲しいときには、マチのついた専用封筒などのオリジナル包装材も売っています。
一方、郵便局に行かずにPCとプリンターで書類を作成することもできます。その場合は、前もって国際郵便マイページサービスのWEBサイトで無料の専用パウチを請求。5日で届きます。
3. 必要書類を確認
送り先の国で必要な書類も郵便局のWEBサイトでチェック。
税関告知書(CN23)2枚はEMSラベルに含まれていますが、緑の税関告知書(CN22)が必要な場合は郵便局で入手します。
4. EMSラベルを作成
EMSラベルという専用伝票に記入します。
書類用と物品用の2種類があります。小さくても書類以外のモノが入っていれば物品用を使ってください。
専用パウチを入手した人は、国際郵便マイページサービスのサイト上で指示に従って送り状を作ります。
5. インボイスを作成
上の「3. 必要書類を確認」で必要書類にインボイスがあった場合にはインボイスを作成します。
インボイスとは品物の明細や金額、発送人・受取人を明記した書類のこと。
通関の際に輸入制限品の確認や関税額の計算に使うため、モノの送付には多くの国でインボイスが必要になっています。
EMSラベルやインボイスの作成ツールや書き方は郵便局のWEBサイトを参照してください。
6. 発送
集荷を依頼するか、郵便局に持ち込んで発送します。
海外から発送されたEMSの受け取り方法
海外から日本に送られたEMSは基本的にはゆうパックと同様に配達されます。
受取人の手続きは、以下の税金が高額な場合を除き、特になし。
関税・消費税は日本郵便で税関手続きが済んでいるので、受取人は配達員に支払います。
尚、EMSでは関税は受取人側で支払うルールになっています。
税金が高額な場合の手続き
税金が30万円を超える場合は配達支店の窓口での支払いになります。
荷物の課税標準額(価格+郵便料金+保険額)が20万円を超える場合は、通関手続きが必要なので難易度が一気に上がります。経験がない人は他の国際宅配便をおすすめします。
EMSと国際宅配便との違いは?
国際宅配便(クーリエ)とは民間会社が提供している海外配送サービスです。
大手ではDHL、FedEx、UPSなど。
これら大手の国際宅配便と比較すると、スピードは国際宅配便の方が速く、価格はEMSの方が安いのが特徴です。
EMSは各国の郵便局が提供しているので、それぞれの国の郵便事情によって使い勝手が違う場合があります。
税関手続きの違い
モノを輸入するときには、税関に輸入内容を申告して関税が決まるのが一般の手続きです。
国際宅配便も同様。輸入申告は宅配便の会社が行います。
一方、EMSを含む郵便では、この申告手続きがなく、税関の職員が直接検査して関税を決定します。
このため、輸入者の意図を伝えるのが困難です。
たとえば個人輸入(個人使用)か販売用かの区分や、一般税率を使いたいなど、関税の適用にシビアなビジネス用途の場合は、輸入申告をする国際宅配便の方が便利です。
いろいろなサービスの比較
・運送事故に備える保険はEMSが比較的安価です。損害賠償2万円までは保険料が無料。
海外の大手クーリエの保険は有料です。
ヤマト運輸の国際宅急便では20万円までの補償がついています。
・クール便は、EMSのほか、ヤマト運輸の国際宅急便、TNTなどが対応可能です。
・EMSは元払いのみ。支払い方法に着払い(コレクト)はありません。
EMSとは郵便と宅配便のいいとこ取り!
EMS(国際スピード郵便)は最速の国際郵便です。
最大のメリットは費用とスピードのバランス。
費用は国際宅配便より安いのが魅力です。
スピードはDHL、FedEx、UPSなどの大手クーリエが勝りますが、EMSとの差は最短で1日。迅速に書類や荷物が届けられます。
追跡調査や損害賠償保険などのビジネスに欠かせないサービスも提供していて、EMSは郵便でありながら海外宅配便と同等の海外発送サービスになっているのです。
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