PURCHASE ORDERとは?注文書の記載内容と発行手順
PURCHASE ORDERとは?
輸入ビジネスを始めて最初に出すPURCHASE ORDER。緊張の瞬間です。
PURCHASE ORDERとは注文書のことです。国内取引と同様に、買いたい人が売る人に注文内容を書いて送ります。
記載する内容や、注文書発行前後の手順など、初めての輸出・輸入で困らないための基本を紹介します。
ブランケットオーダーなどの関連用語もチェック。
略称はP/O
貿易用語は英語ですが、略称を使うのでどの国の人でも使いやすくなっています。
注文書、発注書はPURCHASE ORDER。略称は頭文字を取ってP/O(ピーオー)です。
略称はよくスラッシュを入れて書きますが、POやP.O.など書き方はいろいろです。
PURCHASE ORDERの内容とは?
PURCHASE ORDERには何を記載したらいいのでしょうか?
初めて注文書を出すときには、海外向けの注文書のフォーマットを入手するのがおすすめです。(たとえばこちら)
基本的な項目は国内取引の注文書と同じですが、貿易に特有の必要事項もあります。
国内取引と共通の項目
国内の注文書と共通の項目がこちら。
・購入する自社名、担当者、住所、連絡先 (From)
・発注先の社名、担当者、住所、連絡先 (To):担当者は”Attn: Ms. Lisa Smith”のように記載
・商品を特定する情報 (Item, Descriptionなど):商品名、スペックなど
・数量 (Quantity, QTY):単位も明記(PC=個、KGなど)
・単価 (Unit price):通貨(Currency)を明記!
・合計金額 (Total Amount)
・納入先の名称、担当者、住所、連絡先 (Ship To)
・決済条件、支払条件 (Payment Terms)
・注文番号 (Purchase Order Number)
・注文日付 (Order Date)
貿易に特有の項目
輸入の注文書に特有の内容、国内とは違う点があります。
・貿易条件、取引条件 (Trade Terms):輸送や受け渡しの条件のことです。FOBやCIFなど。
・貿易条件に使う港(空港)も明記します。日本への輸入の場合、FOBであれば日本に向かう船舶・航空機の出発港(空港)、CIFであれば日本の到着港(空港)です。
・船便か航空便か:船便はBY SEA、航空便はBY AIR、国際宅配便はBY PARCEL(もしくはDHLなどサービス名)と書きます。料金と納期を考えて選択。急ぐなら国際宅配便ですが、見積もり条件と料金に差があれば価格に上乗せされるのが一般的です。
・希望納期 (Delivery Date):貿易で正確な着日指定は難しいので、目安として書きましょう。
貿易条件、決済条件は価格を決めたときに設定した内容を記入します。
協議していない場合は見積書に書いてある条件を写しましょう。
PURCHASE ORDERを発行する手順とは?
BtoBの取引では、いきなり注文書を送るケースはあまりありません。
注文書を送る前と後にどんなことが必要でしょうか?
まず見積もりを入手
(1) 買い手→売り手 見積もりを依頼
(2) 売り手→買い手 見積書送付、もしくは相談
価格は数量や取引規模により変わるのが普通です。今後の販売・購入計画も含めて交渉してみましょう。
前章で出てきた貿易条件、決済条件なども価格と一緒に交渉。
そもそも取引を断られる場合もあります。他社との契約や売り手の販売戦略に合わない場合などです。
商品仕様を確認
価格の交渉と並行して、この段階で商品についてよく確認してください。
サンプルがOKでも仕様できちんと確認することが重要。
気になるところは注文前に詳細仕様を取り決めておきましょう。
注文したらCONFIRMATIONを確認
価格と商品仕様で合意できたら、注文書を発行します。
(1) 買い手→売り手 PURCHASE ORDER(注文書)送付
(2) 売り手→買い手 ORDER CONFIRMATION送付
ORDER CONFIRMATIONとは注文確認書、注文請書のこと。注文を引き受けたという意思表示です。
注文は買い手と売り手が合意して成立します。注文書を送ったら、注文が成立したか確認するために、注文請書を必ず貰いましょう。注文書にスタンプを押したものでも、メールやメッセージ上の文章でもOKです。
納期などの変更連絡が来ることもあります。問題があればすぐに連絡を取ってください。
その後トラブルがなければ売り手が予定通りに商品を出荷し、インボイス(Invoice)などの書類を発行します。
売買契約は必要?
海外との取引は法律や商習慣などの前提が違うので、取引する前に契約を結ぶのが望ましいとされています。
このため、取引相手からまず基本売買契約書などにサインを求められることがあります。
契約書は慣れないと読みにくいですが、雛形などを参考に読み解いて、不都合な点は交渉してください。
自分が売り手の場合、注文書の裏面に契約条項が印刷されたものが送られてくることがあります。これはこの契約を注文に適用しますよという意味です。これも不都合な点があれば要交渉です。
尚、注文も契約の一種(個別契約といいます)です。口頭やメモで済ませず、必要事項を記載した注文書を送りましょう。
PURCHASE ORDERのいろいろ
ここからは中級編。”PURCHASE ORDER”に関連する用語を見ていきましょう。
BLANKET PURCHASE ORDERとは?
BLANKET PURCHASE ORDERは日本語では一括注文、包括注文、ブランケットオーダーなどと呼ばれています。
同じ商品を繰り返し購入する場合などに、記載数量に達するまで有効な期限付きの注文書を発行することがあります。
注文のたびに価格を交渉する海外ならではの作業効率化です。
年間数量を契約することで、大口価格を適用しながら出荷を分けて在庫を抑えることも可能になります。
一方で、ブランケットオーダーは数量が確定ではない点に注意が必要です。
注文書は価格などの注文条件を確定するのが目的で、実際の出荷の数量や納期は個別に納品指示書で連絡します。
数量が変動するのは、注文内示・計画発注・見通し(Forecast)なども同様です。
確定ではないことを頭に入れた上で、売り手と買い手で見通しを共有して商品を準備するのがビジネスチャンスを逃さないコツになります。
OPEN PURCHASE ORDERとは?
OPEN PURCHASE ORDERとは注文済みで未出荷の発注残のこと。
在庫切れの有無とは関係なく使う用語です。
出荷予定日を過ぎた発注残があったら状況を確認しましょう。
PURCHASE ORDERとは貿易の注文書
PURCHASE ORDERとは貿易における注文書です。
国内取引と同様に、取引に必要な情報を記載します。
国内と違う点は、英語である点と、貿易取引で重要な国際物流の貿易条件を記載する点です。
注文書は取引に直接かかわる重要書類。書き方は人それぞれなので、不明な点は直接質問するなどして疑問を残さないことが大切です。
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