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貿易のリスクをカバーできる保険 貿易保険と海上保険を知ろう

貿易のリスクに備える保険とは?

貿易にはトラブルがつきものです。
・外箱が潰れて、届いた商品が破損していた。
・パッケージが水濡れして売り物にならない。
・途中で盗まれたのか数量が少なくなって届いた。
といった輸送途中のトラブルは、輸出・輸入の仕事をしていると必ず経験していると思います。
どこで潰れたか、誰のせいかなんて追及してもまず分かりません。
このようなトラブルは保険を使って解決することになっています。

貿易の保険には2種類ある

貿易のトラブルにはほかに戦争や輸入制限、倒産などもあります。
貿易の保険には2種類あり、それぞれのリスクに備えています。
1) 海上保険:貨物の破損、水濡れ、盗難など
2) 貿易保険:戦争、貿易規制、倒産、災害などによる輸出・代金回収不能

海上保険とは?

海外の取引先から出荷の保険について質問が来たけどなんのこと?という場合、それは海上保険のことです。
海上保険の保険証券(英語はInsurance Policy)は貿易の重要書類である船積証券のうちの一つ。世界共通でやりとりされています。

海上保険の対象は?

「海上保険」という名称ですが、海上輸送のほか陸上輸送もカバーしています。航空輸送向けの保険もあります。
保険の対象は、貨物Aが「B地点からC地点まで」の範囲を移動する間という形で指定します。
貨物の破損、水濡れ、盗難などに備える貨物保険のほか、主に海運会社向けの船舶保険もあります。

海上保険に入るのはどっち?

売主と買主のどちらが保険に入るかは、輸送費用の費用分担と一緒に、貿易取引条件として決めることになっています。
代表的な貿易取引条件(インコタームズ)は以下の通りです。
1) FOB, FCA:売主は輸出国の空港や港まで手配。輸入国までの運送料・保険は買主負担
2) CFR(C&F), CPT:売主が輸入国の空港や港までの運送を手配。保険料は買主負担
3) CIF, CIP:売主が輸入国の空港や港までの運送・保険を手配。保険料は売主負担
輸入の場合は1)2)のとき、輸出の場合は3)のときに保険に加入します。
国際宅配便(DHL、FEDEXなど)で届く場合には、保険料は輸送費用と一緒に支払うことになります。
元払いなら輸出者、着払いなら輸入者が支払います。
着払いで輸入する場合には、売主から保険に入るか聞かれることがあります。

海上保険の一般的な入り方

海上保険は損害保険会社が提供しています。「△△海上保険」などの会社です。
貨物の性質や梱包形態、仕向地、輸送経路などによって保険料が設定されます。
保険金額(保険が支払われる最大金額)=CIF金額(運送料・保険料込みの商品代金)×110%にするのが一般的です。
条件を選ぶときにはオールリスク担保+戦争・ストライキ等危険担保が基本。
保険料の最低金額は3,000円と決まっています。保険料率がたとえば0.35%とすると、CIF金額80万円弱までは3,000円です。計算方法は損保会社のWEBページでチェック。

貿易保険とは?

貿易保険は戦争、貿易規制、倒産、災害などによる輸出不能や代金回収不能をカバーする保険です。
海上保険が民間の損保会社によって提供されているのと違い、貿易保険は日本政府が100%出資する日本貿易保険(NEXI)が運営しているのが特徴です。
日本の企業が行う海外取引のリスクのうち、民間保険でカバーできないものを救済することを目的としています。
保険料率は、ビジネスの相手国と、取引先の格付けの2つの要素によって決まります。

貿易保険って必要?

国家間や地域の紛争や、災害、通貨危機など、貿易保険がカバーするカントリーリスクは貿易をする上で大きなリスクです。
突然輸入規制が始まって、輸出・輸入ができなくなることもあります。
相手の会社に賠償を求められないケースも多いのです。
輸出するときには貿易保険に加入するようにしましょう。

輸入ビジネスには貿易保険はないの?

貿易保険は基本的には輸出ビジネスの「いよいよ出荷しようとしたら輸出できない!」「代金回収できない!」というリスクをカバーする保険です。
輸入ビジネスの場合には「代金を前払いしたのに輸入できない!」というリスクをカバーする「前払輸入保険」というものがあります。
投資などに使える保険もあります。

貿易のリスクは保険でカバーしよう

貿易の保険には海上保険と貿易保険があります。
貿易には国内ビジネスより大きいリスクがあり、リスクに適切に保険を掛けることがビジネス運営の上で大切です。
たとえば輸送。長距離を輸送し、港や空港など屋外での積み替えもあります。
商品の箱潰れや水濡れはある程度発生してしまうと思っておく必要があるでしょう。
また、カントリーリスクは問題が起きると出荷分が丸ごと損失になってしまう大きなリスクです。
輸出、輸入により必要な保険が異なります。貿易条件を確認し、自分が掛けるべき保険をチェックしてください。
紛失しても構わないプレゼント以外は必ず保険を掛けると考えましょう。

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