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輸入ビジネスへの円安の影響とは?メリット・デメリット・対策を解説

超円安が輸入ビジネスに与える影響は?

日本の通貨が安い「円安」が経済に大きな影響を与えています。
ドル円は1990年代以来という1ドル=150円以上の円安を記録しました。
輸入ビジネスの仕事をしている人はまさに直接的な影響があると感じているでしょう。
本記事では円安の輸入ビジネスへの影響、メリット・デメリットを解説します。
今からできる円安・為替リスク対策の方法を見つけてください。

円高・円安とは?

円安とは、外国の通貨(アメリカドルやユーロなど)に対して日本円の価値が以前より低くなることです。
ドルと円などの通貨は外国為替市場で取引され、為替相場(為替レート)と呼ばれる交換レートが刻々と変化しています。
この為替レートが「1ドル=110円」→「1ドル=150円」のように円の数字が大きくなると円安、「1ドル=70円」のように小さくなると円高です。
直感的に理解しづらいところですが、1ドルのものを買うコストが110円→150円になるので、円の価値が安い=「円安」になります。

輸入ビジネスへの円安のデメリット

円安による影響を見ていきましょう。
まず気になる輸入ビジネスへのデメリットからです。

仕入れ価格の上昇

円安になると海外から仕入れる商品や原料が高くなります。現地のドル建て価格(ドル表示の価格)は同じでも、日本円にすると高くなるからです。
円安は輸入ビジネスに以下のような悪影響を及ぼします。

仕入れコスト上昇

利幅を確保するために販売価格を値上げ

競争力が落ちる、値ごろ感が薄れる

売上も利益も減少
(もしくは値上げせず利益ダウン)

さらに円安が長期化すると、燃料費をはじめ多くのものが値上がりし、消費者の購買力が落ちてしまいます。こうなるとデメリットはビジネス全般に及びます。

物流費用の上昇

円安は物流費用の上昇という形でも輸入ビジネスにデメリットを与えます。
船便・航空便の運賃や一部の諸費用は米ドル建てのため、円安になるとコストアップになるのです。
また、海外からの原料が高くなる影響で、物流に必要な燃料費や荷資材なども値上がりします。

円安がメリットになるケース

円安でメリットがあるケースもあります。

輸出ビジネス

輸出ビジネスでは円安はメリットになります。
現地のドル表示の販売価格は変わりませんが、日本円にすると高く売れたのと同じになるからです。

外貨建て資産

外貨建ての資産がある場合や、海外で収入がある場合も、円安がメリットになります。
例えば、ドルの外貨預金を持っている場合、円安になると円換算の金額が増えます。

円建ての仕入れ

仕入れ価格が円建て(△△円という価格)で固定されている場合、円安になっても仕入れコストは変わりません。
多くの輸入品が値上がりする中で、競争力が増すのがメリットです。
円が高い(コストが安い)うちに仕入れた商品も同様の効果があります。

輸入ビジネスで円安の影響を抑える方法

輸入ビジネスにはデメリットが大きい円安ですが、影響を小さくすることは可能です。

仕入れ価格を円建てにする

最も為替リスクを小さくできる方法は仕入れ価格を円建てにすることです。仕入れコストが為替レートに左右されなくなります。
取引条件を交渉する際にはとりあえず提案してみるべきでしょう。購入量が多い・取引先がアジアなどの場合には円建てにできることがあります。

仕入れ価格の見直し依頼

外貨建て価格の場合でも諦めずに、仕入れ元に円安の影響を説明し、仕入れ価格の見直し・協力を依頼してみましょう。
価格は諸事情によりしばしば変更されるものです。

為替予約

定期的に外貨送金をする人は、為替予約をすると急な変動を避けることができます。
為替予約とは銀行と契約して特定の期間・金額の為替レートを固定する方法です。
先にコストを確定したいときや、これから円安が進みそうなときに効果があります。

仕入れ元変更

円安による仕入れコスト上昇が商品価値と合わない場合には、メーカーや商品変更も検討するといいでしょう。
コストが安い商品のほか、あまり円安になっていない通貨の地域で探すのも一案です。
反対に、価格差の小さくなった国産品を選び、品質を訴求するという方法もあります。

コストアップ分を価格転嫁する

仕入れコストや原材料・物流コストの上昇分は、販売価格に転嫁(値上げ)することも検討しましょう。
ブランド品など商品の希少性が高い場合や、競合も値上げしている場合には値上げが有効です。

輸入ビジネスには円安も円高もある

円安が輸入ビジネスに与える影響と対策を解説しました。
輸入ビジネスでは為替レートの変動リスクは避けて通れません。
円安時の対策に合わせて、普段から為替リスクを軽減する対策も検討しておきましょう。
尚、円高になるとメリット・デメリットは逆になります。
円安の局面では今より円高になる場合の対策を考え、多すぎる在庫を抱えないことも重要です。

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