フランスの治安の状況は?旅行・出張の注意点と治安が悪い地域を解説
フランスの治安は?
フランスは治安が悪いという話を聞いたことがありますか?
The Economist Intelligence Unit が発表した2021年の世界の都市安全性指数ランキング(こちら)では、パリは23位。
治安のみのランキングではありませんが、日本や北欧・ドイツに比べると低い結果になっています。
旅行・出張で留意が必要なフランスの治安について解説します。
フランスの治安の状況
フランスで日本人が被害にあった犯罪は、大使館に報告されたものだけで毎年約 500 件に上ります。(2019年時点)
主な犯罪は多い順に、1位スリ、2位置き引き、3位ひったくり。全体の約9割がスリと置き引きです。
これらの観光客を狙った犯罪のほか、大規模な事件も目につきます。
フランスのテロの発生数はヨーロッパで最多です。
また、デモやストライキが暴動に発展するケースもあり、破壊行為や暴力行為に巻き込まれないように注意が呼び掛けられています。
2022年現在の状況
新型コロナウイルス (COVID-19) の流行期には、外出制限の影響で犯罪被害件数が減少しましたが、2022年現在は再び件数が増加しています。
中でも暴行や性犯罪が増加していることが懸念点です。
「アジア人狩り」と呼ばれるアジア人への暴力事件も発生しています。
フランスで治安が悪い場所は?
日本人の犯罪被害報告は、パリ市内・パリ近郊に集中しています。
治安が悪い場所では、夜間・女性・一人旅の場合は特に注意してください。
パリで治安が悪い場所
スリやひったくりが多いのは、観光客が多く集まる場所です。
オペラ座・美術館などの有名観光地周辺や、シャンゼリゼ通りなど。
では中心部以外の方が安全かというと、パリ市内の周縁部には移民が多く住み、貧困層が多く治安が悪い地区があります。
モンマルトル界隈も治安が悪いエリアなので、夜は出歩かない方が良いでしょう。
宿泊場所にはオペラ座周辺などのパリ中心部をおすすめします。交通もショッピングも便利です。
交通機関で治安が悪い場所
公共交通機関の駅や車内でもスリやひったくりが多く発生しています。
特に多いのがメトロ(地下鉄)。それから北駅・東駅など、フランスの地方都市やほかの国へ向かう列車が発着するターミナル駅で多くなっています。
同様にシャルル・ド・ゴール空港も被害が多いところです。
空港とパリ市内を結ぶRER(高速郊外鉄道)のB線は治安が悪いので注意してください。
ちなみに、メゾン・エ・オブジェが開催されるパリ・ノール・ヴィルパント見本市会場の最寄り駅はこの路線にあります。
鉄道で行くときには、大きな荷物を持たないなど十分に対策を取ってください。
フランス地方都市の治安
マルセイユは移民が多い都市で、失業者・貧困層が多く治安悪化が問題になっています。
ニースは観光都市のため、パリと同様にスリなどの窃盗が多いところです。
これに対してリヨンやストラスブールはフランスの中で比較的治安の良い都市と言われています。
但し、どの街でも貧困層が多い地区では治安が悪い傾向にあり、一定の注意は必要です。
主な旅行中の犯罪被害と対策
旅行・出張の被害で特に多いのが、観光地のほか、ホテル・レストランや移動中の交通機関での盗難です。
電車・バスの車内や切符売り場のほか、ホーム、空港、エレベーター・エスカレーターなどで、旅行者を狙ったスリ・置き引き・ひったくりが頻発しています。
スリ
観光地やメトロなどで、数人のグループで取り囲むなどして気をそらし、その間に財布などを盗みます。
署名を求めたり、服が汚れていると声をかけたり、コインなどをばら撒いたりするのが典型的な手口です。
置き引き
レストランやホテル、電車・バスや切符売り場などで、例えばお金を払うときにちょっと荷物を横に置いた隙に盗みます。
ひったくり
路上やATMで、財布やスマホなどを手元やポケットから奪って逃げます。
電車のドアが閉まる瞬間にひったくって逃げるのも典型的な手口です。
対策
海外旅行の基本的な盗難防止対策は以下の通りです。
基本を徹底し、周囲でなにかあったらまず荷物を抱えるようにしてください。
・バッグの口は必ず閉める
・バッグや衣服の外側のポケットに貴重品を入れない
・荷物は体の前に抱え、両手でしっかり持つ
・バッグを足元やスーツケースの上などに置かない
・荷物から手や目を離さない
・特にiPhoneは(10万円前後するので)あまり人前で使わない
・現金とクレジットカードは最小限に
最新のフランス治安情報を確認
フランスの治安は、観光地や交通機関でのスリやひったくりなどを中心に注意が必要です。
特に犯罪が多発している場所では安全に気を配るようにしましょう。
また、フランスへ旅行する前には最新情報を確認するようにしてください。
外務省危険情報はこちら。
在フランス日本国大使館HPの安全対策に掲示されている注意喚起(こちら)も参考になります。
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