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MOQ、SPQ、SNPとは?貿易の受発注に使う用語を解説

MOQ、SPQ、SNPとは?

買い付けたい商品の見積を入手したら、そこには「MOQ」「SPQ」「SNP」の文字。
貿易用語にはアルファベット3文字の略語が多くて、慣れないうちは暗号文みたいです。
「MOQ」「SPQ」「SNP」とは受発注に使う数量に関する用語。
設定するメリットと買い手の注意点を含めて、用語の意味を確認しましょう。

MOQとは?

MOQ=Minimum Order Quantity(最低発注数量)、注文可能な最小数量のことです。
たとえば「MOQ : 100 pcs」なら、100個以上でご注文ください、という意味。
ほかの指定がなければ、100個以上であれば、101個でもOKです。99個以下の発注はできません。
「MOQ : 1,000 USD」のように最小の注文金額が書いてあることもあります。

SPQとは?

SPQ=Standard Packing Quantity。英語の直訳は標準梱包数量。ダンボール箱やパレット(上の写真参照)などで1つに梱包される商品の数量のことです。
出荷は基本的に梱包単位なので、この梱包単位が最小発注単位という意味になっています。
発注数量はSPQの倍数です。
たとえば「SPQ : 10 pcs」なら、10個、20個、30個の注文はOKですが、11個は発注できません。
SPQは受発注で使う用語です。

SNPとは?

SNP=Standard Number of Package。英語の直訳は標準梱包数です。出荷梱包単位、つまりダンボール箱などの梱包1つにいくつの商品が入っているかを意味しています。
たとえば「SNP : 5 pcs」なら、カートン1箱は商品5個入りです。
SNPは物流の用語です。
SNPだけが見積書に書かれている場合には、箱単位で発注してください、という意味で、SPQと同じ使い方になります。

貿易でのMOQ、SPQ、SNPの使い方

MOQは見積書にほぼ記載される必須項目です。
梱包単位で販売する商品なら、SPQ(もしくはSNP)も記載します。
MOQとSPQは一緒に「MOQ/SPQ : 100/10」のように書かれていることがあります。これは、MOQが100個、SPQが10個という意味。
買い手(輸入者)はMOQ以上、SPQの倍数で発注します。上の例だと、100個以上、110個、120個……の発注が可能です。

MOQ、SPQ、SNPを設定するメリットとは?

MOQ、SPQ、SNPはなぜあるのでしょうか?
MOQやSPQには売り手の販売政策や、販売効率という面もあります。
一方で、売り手が「一度にこれだけは売りたい!」というのには、生産・出荷が非効率になるのを防ぐ意味もあり、買い手にもメリットがあるのです。

MOQのメリット

MOQを設定する理由の一つは、少量の注文で生産や出荷のコストが割高になるのを避けるためです。
たとえば物流では、トラック手配の費用は数量にかかわらず一定。運ぶ荷物が少量だと、1個あたりの費用は高くなります。
特注品を生産ロットより小さい数量で生産するときも同様。原材料が余ってしまったりします。
そこでMOQとして生産や出荷などの適正規模を設定すると、コストが割高になり価格が高くなるのを避けられるメリットがあります。
また、貿易の場合にはスケールメリットが大きく、少量だと輸入者が払う費用も割高になります。まとまった数量で輸入することにより、余計なコストを省けるのです。

SPQ、SNPのメリット

SPQ、SNPがある理由も物流の効率化です。
1個ずつの製品を出荷するのはハンドリングが大変。小さい製品は数個まとめてダンボール箱などに梱包します。これが梱包単位です。
在庫している場合はすでにこの数量で梱包済み。
受注生産するものでも、梱包材は一般的に決まった数量の商品にピッタリ合うように設計されています。
その上、運搬に使うコンテナやパレットにもちょうど合うサイズ設計にしている場合もあり、梱包単位で出荷することで効率よく輸送できるのです。
半端な数で梱包に空きスペースがあると、物流費用が割高になるだけでなく、輸送中の破損事故の元にもなってしまいます。

MOQ、SPQ、SNPの注意点とは?

数量が大きい方が物流費用の面では有利とはいえ、大きすぎるMOQ、SPQ、SNPには注意が必要です。
輸入販売を考えるなら、販売を計画している量と比較し、在庫リスクや資金繰りの点で過大ではないか検討してください。無理は禁物です。

条件が合わないときの対応方法

MOQが大きすぎる、SPQ、SNPの数量を変えてほしい、という場合には、売り手に相談してみてください。
相手の事情にもよりますが、別価格で対応してくれたり、梱包の入り数を柔軟に変更できたりするケースもあります。
梱包単位が10個の商品を1個、2個だけ欲しいという場合には、小売をする販売店を紹介してもらいましょう。一般的にメーカーや卸は梱包単位での販売になります。

MOQと同じように使われる用語

MOQは売り手にとって重要な条件なので、いろいろな表現があります。
1つの注文で複数の出荷がある場合を想定している用語が、Minimum Delivery Quantity,
Minimum Ship (Shipping) Quantity(最低出荷数量)。
MPQという表現も見掛けます。Minimum Packing Quantityや、場面によりPはPurchaseやProductionなどの略。最低発注数量という意味で使われていることが多いようです。
地域や業界によりいろいろな言葉が使われているので、分からないときには相手に確認して、取引条件にあいまいなところを残さないことが大切です。

MOQ、SPQ、SNPとは貿易の物流を効率化する数量

MOQ、SPQ、SNPとは受発注や物流の場面で使う用語です。
MOQとは最低発注数量、SPQは最小発注単位、SNPは出荷梱包単位のこと。
MOQなどを決めるのは、商品を効率的に生産、流通させるために、輸送方法や費用などに見合ったちょうどいい数量を設定するという面があります。
物流費用のウェイトが高い貿易では、数量をまとめて輸入することは利益率アップのために重要なポイント。
MOQ、SPQ、SNPとは貿易の物流を効率化するのに役立つ数量なのです。

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