輸入販売でPSCマークが必要な商品は?SG・PSEとの違い
PSCマークが必要な商品の輸入販売
ベビーベッドやヘルメットの輸入を考えて店頭で商品をリサーチすると、いろいろなマークが書かれていることに気付きます。PSC、SG、JISなどなど。
JISマークはおなじみのJIS(日本産業規格)適合の認証マークです。
SGマークも時々見かける緑の安全・安心のマーク(後で解説します)。
ではPSCは?
あまりなじみがありませんが、実は販売に必須なのがPSCマークです。
PSCマークの概要と、PSCマークが必要な商品の輸入方法を解説します。
SGマーク・PSEマークとの違いも確認しておきましょう。
PSCとは?
PSCマークは消費生活用製品安全法によるマークです。
PSCとは「Product Safety of Consumer Products(消費生活用製品の製品安全)」の略。
消費生活用製品安全法は、消費者に危害を及ぼす危険性が高い商品を対象に、製造・販売を規制し、事故を防止するための法律です。
PSCマークのほか以下のルールも定めています。
・製品事故情報報告・公表制度:消費者向け製品(PSCマークの対象以外も含む)の重大事故の場合
・長期使用製品安全点検制度:石油給湯機と石油ふろがま
・長期使用製品安全表示制度:扇風機、エアコン、換気扇、洗濯機、ブラウン管テレビ
PSCマークとは?
PSCマークは、表示された商品が消費生活用製品安全法のルールを守り、指定の技術基準を満たしていることを意味しています。
指定された商品をPSCマークなしで販売することはできません。
PSCマークが必要な商品は?
PSCマークには2種類あります。
特別特定製品以外の特定製品
丸形のPSCマークは「特定製品」(次で説明する特別特定製品以外)に表示が義務付けられているマークです。
「特定製品」とは消費生活用製品安全法で指定された製品のこと。
構造・材質・使用状況等からみて消費者の生命・身体に特に危害を及ぼすおそれが多い消費者向け製品が指定されています。
対象は以下の6品目です。
・家庭用の圧力なべ及び圧力がま
・乗車用ヘルメット(自動二輪車(バイク)・原付用)
・登山用ロープ
・石油給湯機
・石油ふろがま
・石油ストーブ
特別特定製品
ひし形のPSCマークは特別特定製品に付けるマークです。
「特別特定製品」には、特定製品の条件を満たす上に、安全性の確保が不十分な事業者がいると目を付けられている製品が指定されています。
対象は以下の4品目です。
・乳幼児用ベッド(ベビーベッド)
・携帯用レーザー応用装置(例:レーザーポインター)
・浴槽用温水循環器(例:家庭用ジェットバス)
・ライター(チャッカマンのような点火棒も含む)
PSCマークの特定製品を輸入販売する方法
PSCマークの特定製品を輸入販売するための手続きは以下の通りです。
損害賠償保険
事業の届出をします。その際、損害賠償責任保険への加入(もしくはSGマーク取得)が必要です。
技術基準適合の確認
製品別の技術基準に適合していることを自主検査で確認し、検査記録を作成・保存します。
適合性検査(特別特定製品の場合)
特別特定製品の場合は、自主検査に加えて、登録検査機関による適合性検査を受けます。
PSCマークの表示
以上の手続きが完了したらPSCマークを表示。これで販売が可能になります。
SGマークとPSCマークの違い
PSCマークと類似のマークとの違いも確認しておきましょう。
SGマークは製品安全協会による消費生活用製品の認証マークです。
SGは「Safe Goods(安全な製品)」の頭文字。
PSCマークが国のルールで自主検査が中心なのと違い、SGマークは協会が定めたSG基準への適合を協会が審査して認証します。
対象はPSCマークより広く、自転車用ヘルメットや多くのベビー用品が含まれます。
更に、SGマークを取得した製品で人身事故が起きた場合には、協会から賠償金が支払われる点がSGマークの大きな特徴です。
PSCマークに必要な損害賠償責任保険にもなり、SGマーク認証を取得してPSCマークと並べて表示する例が多く見られます。
PSEマークとPSCマークの違い
PSEマークは電気用品安全法によるマークです。PSCマークと同様に、指定製品は手続きをしてマークを表示するルールになっています。
PSEマークの対象には電気製品が幅広く指定されていて、コンセントにつなぐ家庭用電気製品はほとんどが対象です。
例えば電気圧力鍋はPSCマーク・PSEマーク両方の手続きが必要になります。
PSEマークが必要な製品一覧はこちら。
輸入販売はPSC基準を確認
ヘルメットやベビーベッドを輸入販売するのに必要なPSCマークについて解説しました。
PSCマークの対象は特に大きな事故につながりやすい製品です。
消費者が購入する際にも安全性は重要な商品選びのポイントになります。
輸入販売の際にはPSCマークの基準を確認し、SGマークなど他のマークの取得も検討することをおすすめします。
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