【ワイヤレス対応機器の輸入販売】PSE・技適マークの取得は必要？

ワイヤレス対応機器の輸入販売と技適・PSEマーク

電気製品の新商品トレンドの一つがスマート家電です。
Wi-FiやBluetoothなどワイヤレス（無線）で装置とスマートフォンなどを接続し、遠隔で操作・管理できる優れもの。
新機能のデバイスを輸入販売しようと探すとワイヤレス対応のものが多いでしょう。
ワイヤレス対応機器の輸入販売に関係が深いルールが、PSEと技適マークです。
本記事ではPSEと技適マークの概要・対象と、対応を簡単にするための方法を解説します。

技適マークとは？

技適は電波法のルールで、Wi-FiやBluetoothなどのワイヤレス（無線）技術を使う機器に適用されます。
技適マークとは、電波法の技術基準に適合した無線機であることを証明するマークのこと。
無線機というとトランシーバーを思い浮かべてしまいますが、ここでは無線（ワイヤレス）技術を使う機器という意味です。
このようなデザインで、デバイスに表示します。

技適マークはなぜあるの？

電波は多くの人が利用するので、混信などを防いで効率的に使うために、免許・登録制度が設けられています。
技適マークもその一環です。技適マークがある機器は免許なしや簡単な手続きで利用可能になっています。
技適マークのないワイヤレスデバイスの使用は（一部を除き）電波法違反です。輸入業者も勧告・公表の対象になります。

技適マークが必要な商品

技適マークが必要なのはWi-FiやBluetoothなどのワイヤレス接続機能がある商品です。
赤外線を使うものは対象外。
技適マークがいる商品は、スマートフォン・PC、周辺機器のイヤホン・マイク・マウス・スピーカー・キーボードなどです。
このほかベビーモニターやスマートテレビなども対象になります。

技適マークの取得手続き

技適マークを取得していない商品を扱う場合は、輸入販売者が登録証明機関に認証を依頼し、技適マークと認証番号を商品に表示します。
技適の認証を受ける方法は主に以下の2種類です。
・技術基準適合証明：機器を一つずつ試験して審査
・工事設計認証：設計や品質管理方法を審査し、認証を受けてから製品を生産
このうち工場で量産された商品を輸入販売するための手続きは「工事設計認証」です。
設計情報が必要で、メーカーの協力が欠かせません。
取扱商品を選ぶ際には、技適マークの取得手続きも考慮し、既に認証を取得している機器やモジュールを選ぶのも一案です。

PSEマークとは？

PSEとは電気用品安全法の略称で、幅広く電気製品に適用されます。
PSEマークは、電気用品安全法のルールを守り、技術基準への適合を確認したという表示です。
以下の2種類があります。
・特定電気用品：危険や障害が発生するおそれが特に大きい電気用品

・特定電気用品以外の電気用品：特定電気用品ほどではないが安全上の規制が必要な電気用品

PSEマークが必要な商品

PSEマークが必要な電気製品は多く、コンセントにつなぐ家庭用電気製品はほとんどが対象です。
ワイヤレス対応機器では主に次の商品が対象になります。
・ACアダプターを同梱する商品 → 特定電気用品
・リチウムイオン充電池（一定の条件以上のもの）、ワイヤレスイヤホンの充電ケースなど → 特定電気用品以外の電気用品
逆に言うとUSB充電でACアダプター・充電器なしの商品は対象外の可能性がありますが、品目で指定されているもの（例：インターホン）もあるので要確認です。
・特定電気用品一覧
https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/specified_electrical.html
・特定電気用品以外の電気用品一覧
https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/non_specified_electrical.html

PSEマークの手続き（特定電気用品以外）

「特定電気用品以外の電気用品」を輸入販売するための手続きは、自主的な確認と検査が中心です。
・事業開始から30日以内に事業開始の届出
・製品仕様が日本の基準を満たしていることを確認
・出荷前に国が指定する方法で自主検査
・PSEマークと表示事項を製品に表示

PSEマークの手続き（特定電気用品）

「特定電気用品」の輸入販売では、前項の手続きに加えて、国の登録検査機関（第三者認証機関）による適合性検査を受けます。
製品の検査のほか生産工場への監査があり、海外のサプライヤーの協力が必須です。
こちらも適合証明書を取得済みのメーカーを選ぶと手続きが簡単になります。

輸入前に技適・PSEマークを確認

ワイヤレス対応機器の輸入に関係が深い技適マークとPSEマークについて解説しました。
技適マークはWi-Fi・Bluetoothを使うワイヤレス対応機器では必須。PSEマークも多くの電気製品に必要です。
このほか、商品によって食品衛生法や薬機法が適用されるものもあり、省エネ・リサイクルや表示内容のルールなどもあります。
取扱商品を選ぶときにはルールへの対応方法も含めて検討することをおすすめします。