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PROFORMA INVOICEとは?仮送り状の目的と作成方法

PROFORMA INVOICEとは?

貿易の仕事をしていると「PROFORMA INVOICEを送って」と取引先から依頼を受けることがあります。
PROFORMAという英語の日本語訳は「形式上の、見積もりの」という意味。
直訳しても意味が分かりませんが、これも貿易用語の一つです。
PROFORMA INVOICEとは、送り状、契約内容の確認、見積もりなどの目的で、インボイスが発行できないときに売主(輸出者)が発行する書類のこと。
日本語ではプロフォーマインボイス(プロフォルマとも呼ばれる)、仮送り状、見積送り状などと呼ばれています。
略称はP/Iです。
PROFORMA INVOICEを使う理由と使い方、作成方法を紹介します。

PROFORMA INVOICEを使う理由とは?

PROFORMA INVOICEとはいわば正式なインボイスの代わりです。
なぜPROFORMA INVOICEが必要になるのでしょうか?
それはインボイスが必要な場面があり、一方で正式なインボイスを発行できない事情があるからです。
インボイスは3つの役割を兼ねた書類。そのうちのどれかの目的でインボイスが必要になると仮送り状を発行することになります。
インボイスの役割を見てみましょう。

インボイスとは?

インボイスとは、取引のときに売主から買主に発行される書類です。
(ほかに税関に向けて作成するカスタムズ・インボイスなどの種類もあります。一部の輸入国で使用)
ヨーロッパでは国内取引でも使われています。
日本では、海外に書類以外のものを送るときに作成が必要な書類です。
貿易で使う正式なインボイスのことを「コマーシャルインボイス(商業送り状)」(COMMERCIAL INVOICE)といいます。
貿易では輸出者が輸入者に引き渡す船積書類のうちの一つ。重要書類です。

インボイスの3つの役割

インボイスは請求書送り状品物の明細書などの役割を兼ねる書類です。
日本で商品を出荷するときには請求書と納品書を別々に発行しますが、インボイスでは1枚で両方を兼ねてしまいます。
貿易の場面では、輸出者から輸入者への請求書であり、また出荷明細書として連絡にも使用。
同時に、誰から誰へ輸送している荷物かを示す送り状の役割も持っています。
さらに、輸出通関・輸入通関のときに税関に貨物の内容・価格を申告するのにも使われます。
関税を決める元になる書類でもあるのです。

インボイスがない!

インボイスは正式な書類なので、記載する内容・条件がすべて確定して、ようやく発行が可能になります。発行のタイミングは出荷前後になるのが一般的です。
ところが、取引内容を示すものとして、もしくは輸入申告のための明細書として、発行が可能になる前にインボイスが必要になることがあります。
そこでPROFORMA INVOICEの出番です。
PROFORMA INVOICEを使う具体的なケースを以下で3つ見てみましょう。

前金など輸入手続きに使うケース

あなたが輸出者なら、出荷前の輸入手続きのためにインボイスの発行を依頼されることがあるかもしれません。
COMMERCIAL INVOICE(正式なインボイス)が間に合わない場合はPROFORMA INVOICEを発行します。
未確定の日付などは予定日を入れればOKです。

支払いや輸入許可手続きに使う

輸入手続きにPROFORMA INVOICEを使う代表的なケースは、商品代金の支払い手続きのために銀行にインボイスを提出するときです。
決済条件が、電信送金前払い(T/T In Advance)、現金前払い(Cash In Advance)、信用状(L/C)の場合は、輸入者の支払い手続きが商品の出荷より前になります。
このためCOMMERCIAL INVOICEが間に合わないことが多く、代わりにPROFORMA INVOICEを発行するのです。
ほかに、事前に輸入許可を申請するのにインボイスが必要な国もあります。
取引のバウチャー(証拠書類)として、PROFORMA INVOICEが使われています。

無料のものを送るケース

海外へ書類以外の品物を発送するときには、無料のものを送る場合でもインボイスが必要です。
DHL、FedExなどの国際宅配便や、郵便局のEMSを出すときにも多くの国向けで添付することになっています。
ところが、無償サンプル・見本、プレゼント、返品・不良品など、請求書がないものを送るときには、請求書を兼ねる正式のCOMMERCIAL INVOICEが発行できません。
そこで代わりにPROFORMA INVOICEを発行して、送り状や明細書など、請求書以外の目的に使用します。

見積もりや合意内容の確認に使うケース

注文を受けたときや、契約前の合意内容の確認にもPROFORMA INVOICEが使われています。

受注時の確認に使う

あなたが輸入者なら、注文して納期までまだ時間があるタイミングで、売主からPROFORMA INVOICEを受け取ることがあるかもしれません。
PROFORMA INVOICEは以下の書類と同じように使われることがあります。どれも売主から買主に必要に応じて発行する書類というのが共通点です。
・見積書(Quotation)
・注文書・発注書に対する注文請書(Order Acknowledgement)、注文確認書(Order Confirmation)
・注文ごとの販売契約書(Sales Contract)、売約書(Sales Note)
書式やタイトルによって効力に違いはありません。発行目的を確認しておきましょう。

PROFORMA INVOICEが送られてきたら?

PROFORMA INVOICEが送られてきたら、注文内容や納期・価格などをよく確認してください。
「これで手配しますよ」という意味なので、納期が合わないなどの問題点や疑問点があればすぐに売主に連絡を取りましょう。
「プロフォーマインボイスにサインバックして」と依頼されることもあります。サインするのはOKという意味。
買主がサインして売主に返送すると、両社が合意したことが書面で記録され、契約書として完成します。

PROFORMA INVOICEの作成方法とは?

PROFORMA INVOICEの作成方法は一般的なインボイスと同じです。
一部の項目を書き換えるだけでPROFORMA INVOICEになります。

インボイスの書式

貿易や海外輸送ではインボイスは基本的に英語で書くことになっています。
インボイスには決まったフォーマットがなく、基本的な内容が書かれていればOK。
以下のような内容が一般的です。
・送り主と届け先(連絡先、輸送する場所)
・出荷する貨物の明細(商品内容、数量、価格、原産国、重量など)
・取引の情報(貿易条件、支払い条件)
・輸送方法
(項目は書式によって違いがあります)
EMSや国際宅配便でも書式は自由ですが、各社WEBサイトにダウンロード可能なテンプレートが用意されています。
(例→日本郵便WEBサイト
インボイスの書き方はこちらの記事をご参照ください。

PROFORMA INVOICEの作り方

PROFORMA INVOICEの作り方は、以下の2ステップです。
1) インボイスのフォーマットに沿って入力
2) タイトルを”PROFORMA INVOICE”に変更
印刷書式なら、タイトル”INVOICE”の左に”PROFORMA”と手書きで書き加えてもOKです。
これで完成です!

無料のものを送る場合の記載事項

無料のものを送るときには、関税が安くなる可能性があります。
PROFORMA INVOICEを作成するときに、無料だという情報を明記するのがポイントです。

無償と明記

無償(=代金を受け取らないこと)で送る貨物だと税関の人に一目で分かるようにします。
品目明細・金額の近くに”No commercial value/Value for customs purpose only”などと追記。
「無償貨物で、通関申告用だけのために価値を記載」という意味です。
できれば少し大きめに。手書きでもOKです。
国際宅配便などの雛形にはチェック欄があるので、「無償(No commercial value)」にチェックします。
贈物(Gift)、商品見本(Sample)など、無償で発送する理由も記入してください。

金額欄は0円では送れない

無料のものを送るとき、単価・金額欄はどう書けばいいでしょうか?
販売する商品を輸出するときなど、正式のCOMMERCIAL INVOICEでは、単価・金額欄は販売価格と同じです。
では、請求金額が0円だから、単価・金額欄は「0円」?
残念ながら、0円と書くと送れないので要注意です。
インボイスは税関に品物の価値を申告するのにも使われるので、モノとしての価値を記入する必要性があります。
中古品やリサイクル素材として売却する場合や、その状態のものを購入した場合にざっくりいくらになるかを考えて、記入してください。

PROFORMA INVOICEとは仮のインボイス

PROFORMA INVOICEとは正式なインボイスの代わりに使う仮送り状です。
正式なインボイスが発行できない場面で、手続きなどに使うために発行します。
そのような状況でインボイスの発行を依頼されたら、PROFORMA INVOICEを発行しましょう。
但し、これは仮のインボイス。
正式なインボイスが出せる場合には、発行できる状況になったら、改めて正式なCOMMERCIAL INVOICEを送ってください。

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