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輸入関税の種類別の税率は?代表品目の例と、金額・原産地による違い

種類別の関税が知りたい!

海外から輸入するときに見逃せないコストが輸入関税です。
うっかりすると「安いから買ったのにトータルだと割高だった!」ということも。
関税などの税金や送料の試算は欠かせません。
ところが関税の税率を調べようとすると、いろんな数字があって難しい……。
自分の買いたい商品の関税率はどれを見たらいいのか、代表的な品目の関税率も含めて紹介します。

関税率は金額別で2種類ある

関税率は大きく分けて2種類あります。「一般税率」と「簡易税率」です。
自分の買いたい商品の関税率がどちらになるかは、荷物の金額で決まります。
このときの金額は、商品価格に送料・保険料を加えたものです。
・20万円超  → 一般税率
・20万円以下 → 簡易税率(希望すれば一般税率も適用可能)
このほか、以下のような例外があります。
・送料・保険料込みの商品価格が1万円以下の場合は免税(例外あり)
・個人的に使用する目的の場合(個人輸入)は別の計算式を使用
詳しい計算方法はこちらの記事で解説しています。

消費税もかかる

輸入する際の税金には、関税のほか、消費税、酒税・たばこ税などもあります。計算するときには忘れずに。
荷物が1万円以下で関税が免税になる場合には、消費税も免除されます。
但し、酒税・たばこ税は免除されないので注意してください。

簡易税率の税率

簡易税率は少額の輸入に適用される計算しやすい税率です。
品物の種類別に、6つの区分(税率0%-20%)とアルコール飲料3種類に分けられています。
簡易税率表リンク

アパレル・家庭用品の例

・毛皮のコート:20%
・織物の衣類(ニットを除く):10%
・ガラス製品・プラスチック製品:3%
・陶磁器:無税

簡易税率が適用されない品目

革製品や、ニット製衣類、履物(靴)、タバコなどは簡易税率の対象外です。一般税率が適用されます。
このほか、時計や化粧品など(例外あり)、関税が元々かからないものは関税なしのままで変わりません。
(別途輸入消費税はかかります)

一般税率の税率

次は一般税率の場合です。簡易税率が使えない場合には一般税率が適用されます。
一般税率は、品目と原産地の組み合わせで税率が決まるしくみです。
実行関税率表リンク

品物の種類別の関税率

一般税率の品物の種類は、21の大分類の下に97の中分類があり、さらに数千の区分に分かれています。
たとえばアパレル製品なら、まず編物か織物か、それから素材・用途などによって数百に区分。
ブラジャーなど無税のものから、毛皮付きの衣類は無税~12.8%など、それぞれの品目区分ごとに税率が決まっています。

主な商品の関税率

家庭用品(プラスチック、ガラス、陶磁器など)は無税~3.9%。
家具、電気製品、時計、化粧品などは多くが無税です。
主な商品の関税率の目安はこちら→税関ウェブサイト
一般的には無税の品目でも、材料によって関税率が違うことがあります。革製品やニットの部分があるものは要注意。
品目の区分はプロでも難しく、「関税分類の事前教示制度」で問い合わせると確実です。

原産地で関税が変わる

上の説明で税率に幅があることに気付いた方もいると思います。
「自分はどっち?」
一般税率の関税率は品目の種類だけでは決まらないのです。
関税を決めるもう一つの要素が原産地です。
原産地とは原料や製品の生産国のこと。複数の国にまたがる場合には判断が難しいものもあります。

基本はWTO協定税率

原産地が後で紹介する国・地域ではない場合、適用されるのはほとんど「協定税率」です。
残念ながら上の例のうちの高い方の数字になります。
「協定税率」とは、WTO協定の最恵国待遇原則に基づいた税率のこと。かなり多くの国が協定税率の対象です。
「ロシアを最恵国待遇から外す」というニュースで一時期話題になりました。
協定税率が適用されない場合は、基本税率(もしくは暫定税率)というもう一段高めの税率になります。

原産地が開発途上国の場合

開発途上国で生産された製品の場合には「特恵関税」という低い関税が適用されます。
ベトナム・フィリピン・インドネシアなどが対象になっています。
対象国はこちらでチェック→特恵適用国・地域一覧

EPA締結国の場合

TPP11・RCEPなどの経済連携協定(EPA)では関税を下げる取り決めをしています。
EPA締結国・地域は、アメリカ、イギリス、EU、アセアンなど。
EPA締結国が原産国の場合には、原産地証明などの書類を提出すれば、EPAに基づく税率の適用が受けられます。

関税は種類・原産地・金額で決まる

輸入関税は、品物の種類と、原産地、荷物の金額によって決まります。
個人輸入に多い商品の種類別の関税率を参考に、当てはまる関税率を調べてみてください。
事前に調べておけば、輸入コストで失敗するのを避けられます。

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