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転売とは?正当な転売と違法・グレーな転売との大きな違いとは

転売とは何か?

「転売」とは何でしょうか?
ニュースで見る転売はいつも社会的に迷惑な話。
一方で、転売は副業や隙間時間でできる仕事として注目を集めています。
「自分のネットショップは大丈夫?」「いつも利用しているサービスも転売かも?」と思うと心配です。
転売とは何か見ていきましょう。

定義上の転売とは?

岩波書店の広辞苑第七版によると、転売は「ある人から買い取ったものを、さらに他人に売り渡すこと。またうり。」とあります。
新品でも中古品でも、買って販売すれば転売です。

定義上の転売と販売の違い

「販売」は再び岩波書店の広辞苑第七版より引用すると「売りさばくこと。あきなうこと。」。
分かりやすくいうと、商品を売ることです。
販売店は商品を仕入れて販売するので、辞書の上では、転売と販売の違いはほとんどありません。
違いといえば、作って売るメーカー直販は「転売」ではないというくらいです。

転売ビジネスと販売との違いは?

意味・イメージに違いが出てくるのは、転売ビジネスの話をするときです。
このときの転売とは、消費者向けの店(小売店)や個人から仕入れた商品をさらに販売することを主に指しています。
一般の販売・物販ではメーカーや卸問屋から仕入れることが多いので、小売店を経由した商品かどうかが転売と販売の違いです。
この記事では転売ビジネスについて解説します。

転売とは犯罪なのか?

転売というとネガティブなイメージがあります。
転売屋、ネットスラングで転売ヤーという言葉もグレーな響き。
では、転売ビジネス、つまり小売店や個人から仕入れた商品の販売は、犯罪もしくはグレーなビジネスなのでしょうか?
心配ご無用。そんなことはありません。
小売店から仕入れた商品を売ること自体はまったく問題ない商取引です(例外は次章参照)。
転売の悪いイメージは、迷惑な転売行為が原因になっています。

迷惑な転売行為の例

ライブやイベントなどのチケットを高額で転売するのが代表的な悪い転売です。
人気ミュージシャンのライブではチケットの1/3が転売サイトで売られたというケースが報告されました。
ほかに、人気ゲーム機が買い占められて入手困難になる事態も繰り返し発生。
アイドルのグッズやスニーカーなどの限定品や、希少性があったり話題で品薄になっていたりする商品も、買い占めや値段の吊り上げが起きやすい例です。

高額転売が悪質な理由

これらのケースの問題点は、単に定価より高い値段で販売するということより、転売する人が大量に買って、買い占めてしまうことです。
通常の販売窓口で買えなくなり、買おうとすると高額な値段で転売ヤーから買うしかなくなってしまいます。
消費者が入手できなくて困るほか、販売が困難になってメーカーも販売会社も混乱します。
転売業者だけが儲かって、関係者が疲弊するという問題が起きてしまうのです。

迷惑な転売は違法ではない!?

こんな迷惑な転売行為ですが、多くのケースでは取り締まる法律がなく、違法とはいえません。
とはいえ道義的・社会的に問題になっていて、グレーなビジネスです。
買い占めや高額転売が起きないように対応が進められているほか、チケット転売問題では詐欺罪で有罪になった例もありました。
決して黙認されているわけではないのです。
また、新しく規制ができることもあります。
新型コロナウイルス(COVID-19)流行のときにはマスクの転売が問題になり、マスクや消毒液の転売を禁止する法律ができました。(その後転売規制は解除)

違法な転売とは?

法律で禁止されている転売もあります。
以下に挙げたほかにも、販売そのものが違法な商品、たとえば麻薬、けん銃などを売るのは犯罪です。

ライブやイベントなどのチケット

前章でチケット転売問題を紹介しましたが、現在ではこれは違法です。
人気のあるライブや舞台、スポーツイベントなどのチケットを買い集めて高値で販売する行為は禁止されています。
従来からダフ屋と呼ばれ取り締まりの対象でしたが、インターネットオークションやチケット転売サイトなどで大量にかつ定価の数倍の価格で売買されるようになり、規制が強化されました。
2019年にチケット不正転売禁止法が施行。
「有償譲渡禁止」や「転売禁止」などと書かれているチケットを、繰り返し継続する意思を持って販売価格より高く転売すると犯罪として罰せられます。
業者だけでなく個人も対象です。
尚、定価より安い値段なら売ってもOK。
但し、公式リセールサイト以外での譲渡を禁止する公演も多いので、チケットを譲りたい場合には主催者のチケットに関する情報を確認してください。

偽ブランド品

コピー商品(偽物)の販売は商標法、意匠法、著作権法などの法律で禁止されています。
偽ブランド品だと知らずに売ってしまった場合でも違法になる可能性があるので、正規ルートから購入するか、自分でよく確認してください。

転売に許可・免許が必要な商品がある

転売、販売に許可や免許が必要な商品・ジャンルがあります。
必要な許可・免許などを取らずに販売すると法律違反です。

中古品

中古品を買って転売するには古物商許可が必要です。盗品が混じるのを防ぐ目的です。
メルカリやヤフオク!などで個人から購入して転売する場合には、新品でも中古品とみなされるので古物商としての許可がいると考えられています。
但し、自分の持ち物を売る程度なら許可なしで大丈夫です。

酒、アルコール

一部の酒類で高額転売が問題になることがありますが、お酒を継続的に売るには酒類販売業免許が必要です。
自分が飲む目的で購入したり貰ったりしたものを売る程度なら問題ありません。

食品

販売する食品の種類によって許可が必要です。保健所に相談しましょう。

医薬品・化粧品

医薬品を販売するのには医薬品販売業許可が必要です。
化粧品や医薬部外品・医療機器(リスクの高いものを除く)では、販売だけなら許可はいりませんが、小分けやシール添付などをする場合は製造販売業許可が必要になります。

輸入品

海外の商品を輸入して販売するときには、国内で流通している商品とは別の規制があります。
(上で紹介したのは国内で購入した商品を転売するための許可です)
輸入品の場合、日本で商品について責任を持つのは輸入する人・会社です。
日本で規制がある商品を輸入して販売するときには、日本のルールに適合して安全と認められる商品か確認する手続きがあります。
上で挙げた食品・医薬品・化粧品のほか、食器や石鹸、動植物など多岐にわたるので確認してください。詳しくは↓こちら↓

正当なビジネスとしての転売とは?

では、正当な商売としての転売とはどのようなものでしょうか?
小売店や個人から仕入れた商品を販売すること。これはまっとうなビジネスです。
チケット販売など規制があるものを除けば、価格設定も自由。
定価以上で売ること自体が悪いわけではありません。
正当なビジネスとしての転売の代表例を見てみましょう。

せどり

せどり(競取り)とは、元々は古本業界の用語で、掘り出し物を目利きして、安く仕入れて高く売ることを指しています。
現在の中古品ではメルカリやネットオークションが主な舞台。
新品ではAmazonなどのインターネットショップを使って、国や地域間の価格差を利用したせどりが行われています。

輸入販売

海外の商品を輸入し、日本で販売するビジネスです。
大手商社から個人までさまざまなレベルで、多種多様な商品が輸入されています。
個人が手掛ける小規模ビジネスでは、消費者向けの商品の転売が中心。
ネットショップで仕入れ、ネットショップで売るのが一般的です。
個人向けのショップで購入するため、数量1個から仕入れが可能で、荷物はDHLなどの海外配送で家まで届けてもらうことができます。
販売方法は、楽天市場などの大手ネットモールに出品・出店するか、自前でネットショップを開設して販売します。

確定申告を忘れずに

転売に違法・グレーという視線が注がれる理由がもう一つあります。
それが脱税や申告漏れです。
転売は、比較的小さい資金で始められ、隙間時間に自宅でできる仕事なので、副業など個人が手掛けることが多いビジネスです。
それ自体は正当なビジネスだというのはこれまで説明した通り。
ところが、個人のインターネット取引では利益を申告しない人が少なくなく、追徴課税を受けるケースが多発してしまっているのです。
転売に限らず利益を得たときは、確定申告をして、金額に応じて国や自治体に税金を納付することになっています。
うっかり忘れて、本来の税金より多い追徴課税分を払うことにならないよう、必ず確認してください。

確定申告が必要な金額

会社員なら副業の所得金額が年20万円、ほかに収入がない人なら所得金額が48万円を超えると確定申告が必要です。
この所得金額というのは利益のこと。販売金額から仕入れコストと費用を引いて計算します。
医療費控除など別の理由で確定申告をする場合には、この金額以下の所得でも合わせて申告が必要です。

住民税の申告が必要な場合

確定申告は不要でも、住民税の申告が必要な場合があります。
副業の場合や、所得金額が45万円超で住民税が発生する場合など。
収入の金額にかかわらず申告が必要な自治体もあります。
住民税の申告ルールは自治体によって異なるので、お住まいの自治体に確認してください。

胸を張れる転売ビジネスを

転売とは仕入れた商品を売ることで、犯罪ではありません。
一方で、買い占めや価格の吊り上げなどの行為は法律で禁止されています。
迷惑な転売行為はしない、買わない。
胸を張ってビジネスといえる取引をするようにしましょう。

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