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海外からの仕入れにかかる輸入消費税とは?国内取引との違い

海外からの仕入れにも消費税が掛かる!

海外からの仕入れのコスト計算で見落としがちなのが日本の消費税です。
海外から輸入した商品にも消費税が掛かります。
国内生産品の仕入れに消費税が掛かるのと同じ条件になるように、海外仕入れ品にも消費税が掛けられています。
海外仕入れの場合は輸入手続きの際に関税と一緒に支払うのが特徴です。

輸入消費税の計算方法

では海外からの仕入れに掛かる消費税を計算してみましょう。
消費税の税率は一般の取引と同じく、通常が10%、食品などの軽減税率が8%です。
消費税額をざっくり試算するには以下のように計算します。
・消費税額=(関税の課税価格+関税+たばこ税・酒税など*)× 消費税率
*該当するもののみ

関税の計算方法がベース

海外からの仕入れに掛かる消費税の税額は、まず関税額を計算し、続けて消費税を計算するしくみになっています。
このため上の式にも関税の課税価格、つまり関税の対象になる価格が出てきます。
以下の式で計算します。
・関税の課税価格=商品代金+輸入にかかる保険料+日本までの運賃(いわゆるCIF価格)
これには例外があり、「個人輸入」と呼ばれる個人的な使用目的の輸入の場合には、以下の計算方法を使います。転売目的の場合は「個人輸入」には当てはまりません。
・(個人輸入の場合)関税の課税価格=海外小売価格×0.6

消費税の正確な計算方法はこちら

消費税には通常の消費税と同様に国税(内国消費税)と地方消費税があり、正確にはそれぞれ計算します。
消費税10%の場合、内訳は国税7.8%、地方消費税2.2%です。(軽減税率8%の場合はそれぞれ6.24%と1.76%)
【消費税10%の場合】
・国税=課税価格(関税の課税価格+関税+たばこ税・酒税など)×0.078
・地方消費税=上で求めた国税の消費税額×22÷78
【消費税8%の場合】
・国税=課税価格(関税の課税価格+関税+たばこ税・酒税など)×0.0624
・地方消費税=上で求めた国税の消費税額×22÷78
課税価格は1,000円未満を切り捨て、税額は100円未満切り捨てで計算します。
端数処理も含めた正確な計算方法は下記の財務省サイトでご確認ください。

参考:消費税率引上げに伴う税額計算について

消費税がかからない場合がある

海外仕入れの消費税には免税になる金額があります。覚えておいて賢く使いましょう。
上で計算した関税の課税価格が1万円以下の場合には、関税も消費税も掛かりません。
但し、革製品、ニットの服、革靴など(一部スニーカーも)は例外です。1万円以下でも関税・消費税が掛かります。
(例外品→課税価格の合計額が1万円以下の物品の免税適用について
たばこ税・酒税なども免税になりません。

国内取引の消費税との違い

海外からの仕入れに掛かる消費税は、国内取引の消費税とは異なる点があります。
国内取引とは別の区分での管理が必要です。

支払い方法・支払先は?

国内の仕入れに掛かる消費税は、代金を支払うときに売主に支払います。
これに対して、輸入消費税の支払いは荷物を引き取るときに税関に納めます。
多くの場合、輸入手続きは通関業者に代行してもらうので、輸入者は通関業者に対して費用と一緒に払うのが一般的です。
DHLなどの国際宅配便で届く場合には、荷物が配達されたときにドライバーに払います。

免税事業者なのに払うの?

輸入消費税は荷物を受け取る人に納税義務があり、消費税の免税事業者も個人も全員が対象です。
転売目的でも無償サンプルでも、個人使用用途でも同じ。
国内で物を買うときと同じです。

払った税金が返ってくる手続き

納付済みの消費税が返ってくるケースがあります。手続きを忘れずに!

売り上げの消費税から仕入税額控除

海外仕入れに掛かる消費税も、売り上げに掛かる消費税から控除できます。
国内仕入れに掛かる消費税と同様ですが、消費税の申告の際の項目が異なるので注意。
国内品の「課税仕入れ等に係る消費税額」に対して、輸入品は「課税貨物に係る消費税額」という項目に計上します。
輸入許可通知書がバウチャーになるので保管しておきましょう。

返品のときは還付が受けられる

海外から仕入れた商品が不良品だった!注文と内容が違っていた!という場合。
返品(再輸出)や廃棄をするときには、仕入れに掛かった関税と消費税の払い戻しが受けられます。
輸出許可から6ヶ月以内など条件や手続きがあるので、確認しながら進めてください。

参考:違約品等の再輸出又は廃棄する場合の戻し税の手続

海外仕入れの消費税を理解しよう

海外から仕入れた商品にも消費税が掛かります。
同じ消費税とはいえ、国内取引の消費税とは異なり、関税と一緒に払うのが特徴です。
関税の一部と思ってしまうと還付を受けられる機会を見過ごしてしまいます。
しくみを理解して、過不足ない納税と、正確なコスト計算を目指しましょう。

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