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船便の料金と日数は?海外発送の荷物と郵便のコストを安くする方法

海外発送の料金が安くなる船便とは?

輸出・輸入時や、手紙などを国外に発送するときに気になるのが費用です。
特に荷物なら、国内よりずっと高額。
輸出・輸入ビジネスでは物流費用がコストの大きな部分を占めます。
そんな海外発送のコストを安くするには、船便という方法があります。
船便は航空便と比べると日数がかかるのが難点ですが、料金が安いのが魅力です。
荷物と郵便の両方で料金と日数をチェックします。
コンテナ滞留問題など納期遅延のケースも紹介します。

船便で送るにはどうする?

船便、つまり海上輸送で運ぶには、どうしたらいいでしょうか?
船便で送るには大きく分けて2つの方法があります。

国際郵便で運ぶ

1つ目は国際郵便を使う方法。
国際的な郵便局ネットワークで運ぶので、各国の郵便局に持ち込みます。
英語では”surface mail”か”sea mail”。
ちなみに航空便は”airmail”です。
日本から船便で送れる国際郵便には以下の5種類があります。
・手紙・はがき
・国際小包(重さ30kg以下)
・小型包装物(重さ2kg以下)
・印刷物(本・雑誌など)
・特別郵袋印刷物(印刷物を1カ所に大量に送る場合)

貨物船で運ぶ

もう1つは民間の輸送サービスを使う方法です。
船会社と契約するか、海上貨物フォワーダーに輸送を依頼します。
海上貨物フォワーダーの大手は郵船ロジスティクス、日本通運、近鉄エクスプレス。小口貨物なら内外トランスラインなどです。
海外引越しの場合は大手引越し業者(ヤマト、日通など)に依頼します。
こちらを指す英語は、「船便で」を意味する”by sea”を使うのが一般的です。
輸入で発送元が手配する場合には、”Please send the goods by sea.”と連絡しましょう。

DHLやEMSは?

個人が海外発送でよく使うEMSやDHL・FedExなどの国際宅配便は、発送や受け取りが簡単で初心者でも使いやすいサービスです。
これらはスピーディな配達が売りなので、航空便で輸送します。船便はありません。
「なるべく受け取るときに手続きがないようにしたい」という人は、国際郵便の船便を使ってください。
日本では配達時に税金を払うだけで受け取れます。(荷物や税金の金額によります)

船便の料金は?

船便の料金は、航空便を使うより実際どれくらい安いのでしょうか?

郵便料金

日本からアメリカに送る料金を例にとって比較した結果は以下の通りです。
郵便を除いて、船便の料金は航空便の半分以下!
料金を安くしたいけど船便ほどの日数は待てないという場合には、SAL(エコノミー航空便)という選択肢もあります。
日数と料金は船便と航空便の中間です。

郵便の種類 船便 SAL便 航空便 EMSに変更する場合(参考)
郵便*(定型20g)*** 90円 110円 2,000円
小型包装物(1kg)* 770円 1,080円 1,860円 2,900円
国際小包(5kg)** 4,000円 7,300円 10,150円 8,700円
国際小包(10kg)** 6,750円 12,550円 17,650円 14,500円

*商用では必須の追跡サービス(書留にすれば可能)や保険は、別料金(870円から)です。EMSには含まれています。
**保険は400円から。EMSには含まれています。国際小包は追跡サービスあり。
***船便は定形・定形外の区分なし

貨物船の料金

貨物船の料金は、郵便料金のように比較するのは困難です。
海上運賃が容積(立方メートル)単位で計算するのに対し、航空運賃は重量(キログラム)単位。
一般的には料金が安い順番は船便<航空便<国際宅配便で、荷物の重量が増えるほど差が開く傾向にあります。
但し次で紹介する小さい荷物は例外です。

小さい荷物は注意!

船便の料金(タリフ)には最低料金があります。
容積単位で計算する項目は最低1M³で計算。
一律で決まっている手数料なども航空便より高く、少量の輸送に使うと割高になってしまいます。
容積が1M³より小さいような荷物では、航空運賃の方が安い可能性があるのです。
尚、航空運賃にも最低料金があるので、小さなダンボール箱1個など更に小さい荷物ではDHLやEMSが一番安いことがあります。

貨物船の料金の変化に注意

貨物船の料金には国際郵便のように公示されている価格表がありません。
会社間の交渉で決まるので、ユーザーによって違っているのです。
しかも貨物の輸送需要により料金は変動しています。
2020年後半には新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で海上輸送の需要が急増、コンテナ船の運賃が高騰しました。
中国からアメリカへの40フィートコンテナ1個の運賃は、2020年12月に年初の2.5倍の4000ドルに達しています。
急騰時には航空輸送の料金もチェック。海上輸送の市況とは別の動きをしています。

船便の日数は?

船便が届く日数はどれくらいでしょうか?

郵便の所要日数

国際郵便の所要日数は以下の通りです。
・船便:1-3ヶ月
・エコノミー航空(SAL)便:1-3週間
・航空便:3-6日程度
・EMS(国際スピード郵便)便:2-4日程度

貨物船で届くまでの日数

貨物船で運んだ荷物が届く日数は、船のスケジュール+港湾手続き+国内運送の日数です。
港湾手続きは国によりますが、通常は3-7日間程度。
出発・到着の両方で手続きがあるので、到着までの日数=船のスケジュール+2週間前後というイメージです。

貨物船の所要日数

船のスケジュールは公表されています。
ETD(出航予定日)、ETA(入港予定日)の項目をチェック。
船の所要日数の大まかな目安は以下の通りです。
・韓国・台湾・中国(上海)から日本:2-3日間
・タイ・ベトナムから:約1週間
・オーストラリア(ブリスベン)から:1カ月弱
・アメリカ西海岸(ロサンゼルス)・カナダ(バンクーバー)から:約2週間
・ヨーロッパ(ハンブルグ)・イギリスから:1か月強

船便は悪天候や港湾トラブルに注意

船便は航空便より納期遅延の可能性が高いので、納期には余裕が必要です。
たとえば、悪天候で海が荒れたことにより船が遅れるのはよくあるケース。
また、ストライキやハリケーンなどで港湾業務が長期間停滞することもあります。
ほかの港や航空便に切り替えるなど、状況に合わせて柔軟な対応が必要です。
新型コロナウイルス(COVID-19)の影響では、貨物量が多すぎてアメリカの港で順番待ちが発生、2020年秋よりコンテナが滞留する問題が起きています。
この影響で世界的にコンテナが不足。価格高騰とともに、輸出・輸入の遅れが深刻です。

大きな荷物は船便で運ぶのが基本

輸出・輸入ビジネスや海外発送のコストを安くするのが、船便という輸送手段です。
航空便より日数がかかりますが、料金は格安。
特に大型荷物、重量物ではメリットが大きく出ます。
また、航空便では運べない航空危険物の一部(冷蔵庫、洗剤、香水など)が貨物便では輸送可能。
壊れやすいものも船便に向いています。
小さいダンボール箱などを除き、基本的には船便前提で予定を立てると経済的です。

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