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コンサイニーとは?輸入者とコンサイニー、ノーティファイの記入方法

コンサイニーとは何か?

貿易実務に慣れてきた人でもインボイス作成で悩むのが「コンサイニー」という言葉です。
インボイスのほかB/L、WAYBILLでも出てくる貿易用語ですが、コンサイニーとは何でしょうか?
英語ではconsignee、日本語訳は荷受人。
コンサイニーと輸入者とは同じ意味なのでしょうか?
ほかにも似たような内容の欄があって、書き方に困ってしまいます。
コンサイニーや輸入者の基本的な書き方と、輸入者とコンサイニーが違う場合を紹介します。

B/LやWAYBILLでのコンサイニーとは?

B/LやWAYBILLの場合、Shipper(シッパー、発送人)の次に、必ずConsignee(コンサイニー)と書かれています。
このコンサイニーは到着した貨物を受け取る荷受人のこと。
B/LやWAYBILLは船会社や航空会社が荷物の預かり証として発行する書類なので、到着地でコンサイニーに荷物を渡しますよ、という意味です。

インボイスでのコンサイニーとは?

インボイスの場合はもう少し複雑です。
海外への輸出や荷物発送で作成するインボイスは、請求書、送り状、明細書などいくつもの役割を兼ねています。
送り状の役割があるので、B/Lと同じように発送人と荷受人を記載。
同時に請求書も兼ねているので、請求先(バイヤー)と発行元も必ず記載します。
両方の情報が載っている上に、用語が書式によって違っていて、コンサイニーと書いてあっても、必ず荷受人を意味しているとは限りません。
他の項目も含めて判断することになります。

コンサイニーと輸入者を書く欄はどれ?

インボイスはB/Lと違って書式が自由なので、内容や項目名がバラバラです。
しかも似たような項目がいくつもあって、違いが分からないこともあります。
正確にはどう書けばいいのでしょうか?

荷受人を書く欄

荷物を受け取る会社・人は、必ずインボイスに記載する情報です。
以下のような項目名の欄があればこれが荷受人の欄。

  • ・Receiver
  • ・Addressee
  • ・Ship to, To
  • ・Messrs.

なければ”Consignee“欄に荷受人を記載します。

輸入者を書く欄

こんな項目名が書かれていることもあります。

  • ・Importer
  • ・Buyer
  • ・Accountee
  • ・Bill to

これらは荷物の受領者とは別の意味の欄です。
Importerは輸入者、つまり荷物の輸入に責任を持つ人のこと。
Buyerは取引の買い手のことです。
Accounteeは費用を払う人のこと。
Bill toも同様です。
請求書の宛先や、費用を払う人は誰かという情報になります。

輸入者を書く欄の記入方法

多くの場合は、輸入者がフォワーダー(運送会社)から荷物を受け取ります。
記入済みの荷受人と同じなら、前項のImporterなどの欄は空欄、もしくは”Same as consignee”と記載。
違う場合には、必ず荷受人と輸入者の両方の連絡先を記入します。
輸入者の記入欄が見当たらなければ、”Remark”欄も利用可能です。
荷受人・輸入者とも、会社名、担当者名、住所、電話・FAX番号、メールアドレスなど、実際に連絡を取るのに使うコンタクト先を記入してください。
項目名も書き換えられるなら、コンサイニーという言葉の代わりに”Ship to”、輸入者を”Bill to”と書くと明確になります。

コンサイニーが輸入者とは別の場合とは?

普段あまり意識しない輸入者欄ですが、輸入者と荷受人を別に書きたいときに役に立ちます。
どんなケースでしょうか?

直送するケース

フォワーダー(運送会社)から輸入者とは別の人・会社に渡すケースです。
決済のために商社を経由している場合には、貨物は商社の販売先の会社(A社)が受け取ることがあります。
この場合、コンサイニー(荷受人)はA社、輸入者もしくはバイヤーは商社にして、お金の流れと貨物の流れを別々に指示します。
B/LやWAYBILLの場合には、貨物が到着したら輸入者に連絡が行くように、“Notify party”(ノーティファイ)欄に輸入者の連絡先記載を依頼してください。

三国間貿易

三国間貿易をするときも輸入者と荷受人が別の会社になります。
三国間貿易というのは、輸出国(A社)から輸入国(B社)へ商品を直送する一方で、取引は別の第三国(C社)の会社を経由する貿易のこと。
C社が仲介した取引など、商流をA社→C社→B社にしたいときに使います。
A社から見ると買い手はC社ですが、荷物はB社に直送。
この場合は、A社のインボイスには以下のように記入します。
・輸出者:A社
・バイヤー:C社
・コンサイニー:B社
・輸入者:B社

L/Cの場合

もう一つ、コンサイニー欄の記載内容が難しいのが、決済条件がL/C(信用状)の場合です。
L/C決済とは、銀行経由で商品を代金と同時に引き渡す決済方法。
といっても実際には船積書類のB/Lと代金を交換します。
B/Lは持ち主が貨物と引き換えられる有価証券なので、商品を担保にするのと同じ意味を持つのです。
ただ、コンサイニーが記載されているStraight B/L(記名式船荷証券)だと、コンサイニーは代金を払わなくても貨物を受け取れてしまいます。
このため、L/C決済の場合には、Order B/L(指図式船荷証券)を使用。
Order B/Lではコンサイニーを指定しません。

L/Cの場合の記載方法

Order B/Lの場合、コンサイニー欄は”To Order“から始まる文言を記載します。
L/Cに書かれているのと一文字でも違うと支払いトラブルになることがあるので、L/Cで指示されている文言と同じか確認してください。
実際の荷受人は“Notify party”(ノーティファイ)欄に連絡先を明記。
ノーティファイ欄にはほかに、輸入通関をするフォワーダーなど、貨物の到着を知らせてほしい連絡先を記載することができます。
B/Lは船会社や航空会社が作成するので、窓口となる会社に必要な情報をしっかり伝えましょう。

コンサイニーと輸入者という2つの役割

コンサイニーとは荷受人という意味の貿易用語です。
一対一の取引ではコンサイニーと輸入者は同じ。
一方で、三国間貿易など買い手と輸入者・コンサイニーが違う場合には、区別して記載することが必要です。
ところがインボイスではコンサイニーの意味が明確でないことがあります。
貿易には輸入者と荷受人という2つの役割があることを理解して、誤解がないように確認するようにしてください。

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