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輸入通関の流れ【運送方法別】通関で何をする?輸入者の手続きは?

輸入通関の流れを知ろう

DHL・FedExなどの国際宅配便で配達状況を追跡すると、「通関手続中」で止まっていることがあります。
通関というのはどんな流れで何をしているのでしょうか?
輸入者がする手続きは?
費用・日数はどれくらい?
国際宅配便、EMS、船舶・航空貨物のケース別に紹介します。

通関とは?

通関とは、物品を輸出・輸入する人が、税関に申告して、輸出・輸入の許可を受ける手続きのことです。
大口貨物だけでなく、小口の個人輸入やプレゼントでも通関が必要。
旅行で入国するときの携帯品申告や税関検査も通関の一つです。
旅行のときは自分で手続きをしますが、荷物を送るときは一般的に通関業者が代行して通関を行います。

通関では何を確認しているの?

通関では税関が、①輸出・輸入できる品目かどうか、②関税額 を判断します。
時間がかかるのは主に以下の3点で疑問があるときです。

輸出・輸入禁止品目

覚せい剤・麻薬や児童ポルノ、ブランド品の偽物などは輸出・輸入禁止品目です。
輸入が禁止されているのは拳銃や爆発物など。
絶滅のおそれのある野生動植物(ワシントン条約に該当するもの)も輸出入が厳しく制限されています。
これらのものは輸出・輸入差し止めになります。

輸入規制品

輸入に許可・承認や届出などが必要な品目では、法律で決められた手続きが完了しているかを輸入通関で確認します。
税関に証明書類を提示しないと輸入許可が下りません。
薬機法では薬のほかに化粧品やシャンプーなど、食品衛生法では食器・調理器具・乳児用おもちゃなども対象です。多くの品目で監督官庁の許認可・届出などが必要になっています。

関税額の判断

輸入通関のもう一つの重要な仕事が、輸入関税と消費税の徴収です。
税関は申告された品目と金額、原産地や輸入目的などを元に、どの関税率に当てはまるかを判断しています。
インボイスの品目の書き方が曖昧だと、どの税率になるのかが分からなくて、質問が来たり時間がかかったりするのです。
たとえば「食品」「プレゼント」や商品名ではなく、「チョコレート」と(英語で)書かれていると迅速に判断が付きます。

輸入通関の流れ

輸入通関の基本的な流れは以下の通りです。
1. インボイスなどに基づいて輸入申告
2. 税関が書類審査や、X線などによる現物検査を必要に応じて実施
3. 関税・消費税の決定、納付
4. 輸入許可
但し、国際郵便であるEMSでは若干流れが違っています。それぞれ詳しく見てみましょう。

国際宅配便・一般商業輸入の場合

国際宅配便で届く場合や、それ以外の海上・航空輸送で輸入する場合です。
国際宅配便の場合は、DHL・FedEx・UPSといったクーリエ便の会社が通関も済ませて荷物を届けます。
このときの流れは以下の図の通りです。

輸入貨物が日本の港や空港に到着

保税地域に搬入

輸入申告

税関の審査・検査

関税・消費税の納付

輸入許可

保税地域から荷物を引き取り

納品先へ配送

輸出入・港湾関連情報処理システム(NACCS)を使い、電子申告手続きをするのが一般的です。

EMSの場合

EMS(国際スピード郵便)・国際郵便の場合です。

国際郵便を扱う国際交換局(全国に6局、担当エリア制)に荷物が到着

局内にある税関の外郵出張所で税関検査

地域の郵便局から配達、税額によっては郵便局窓口で受け取り

輸入申告がなく、税関の職員が直接ラベルや現物を見ながら検査します。
このため使いたい関税の種類を伝えるのには不向きです。
尚、物品の課税価格(商品代金+郵便料金+保険料)が20万円を超える場合は、輸入申告をして輸入許可を受ける基本の通関の手続きになります。
ちなみに手紙(信書)は税関検査の対象外です。

輸入者がする手続きは?

輸入する人はいつ何をしたらいいのでしょうか?

輸入通関に必要な書類は?

輸入通関には以下のような書類が必要です。
・インボイス(Invoice):I/V、仕入書ともいう
・パッキングリスト(Packing List):P/L、梱包(包装)明細書ともいう
・船荷証券(B/L)か航空運送状(AIR WAYBILL)
・運賃明細書(Arrival Noticeが兼用になっていることが多い)
・保険料明細書
EPA(経済連携協定)税率・特恵税率を適用したいときは、原産地証明書などの書類も必要です。

国際宅配便・EMSの場合

EMS(課税価格20万円以内)と国際宅配便の場合、輸入する人は基本的に手続き不要です。
インボイスや伝票は輸出者が作成し、荷物に添付されています。
輸入規制品、EPA税率を使う、などの場合には、クーリエ便の会社と連絡を取り、必要書類を提出してください。
EMSの場合は「外国から到着した郵便物の税関手続のお知らせ」という問い合わせの葉書が来たら回答が必要です。

一般商業輸入の場合

輸出者から荷物を発送したと連絡が来たら、フォワーダーなど通関業者に輸入通関を依頼します。(自分でしても可)
輸入通関に必要な船積書類は輸出者から輸入者のところに送られてくるので、依頼した業者に渡してください。

関税・消費税はいつ払う?

関税・消費税は通関した会社が立て替えているので、荷物の配達のときにドライバーに支払うか、送られてくる請求書で払います。
EMSの場合は、1万円を超える税金は郵便局の窓口での支払いも可能です。30万円を超えると郵便局の窓口払いのみになります。

輸入通関の費用は?

税関の手数料は掛かりませんが、通関業者の手数料として輸入通関料と輸入取扱料金が発生します。
目安として2万円~。国内配送料と合わせて確認しておきましょう。
尚、税関検査が入ると費用は増加します。
国際宅配便、EMS(課税価格20万円以内)は一般的な通関では追加費用はありません。

輸入通関の日数は?

輸入許可までの平均所要日数は、船の場合は入港から2.5日、飛行機(国際宅配便含む)だと到着から0.5日です。
日本到着から納品までの日数は、船で3-5日、飛行機で1-3日が目安になります。
税関は基本的に土日祝休みです。GWや年末年始は注意してください。

輸入通関の流れを知って貿易をスムーズに

輸入通関の流れを知ると、インボイスを元に輸入申告が行われ、関税額が決まるということが分かります。
この流れは中国など外国でも基本的なところは同じです。(輸入申告前に輸入業の許可がいる国など違いもあります)
輸入通関で確認している内容をインボイスなどで明確にすると、輸出・輸入がスムーズに進められるようになります。

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