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フォワーダー(貿易用語)とは?乙仲、クーリエ、船会社との関係

フォワーダーとは?

「フォワーダー」という貿易用語があります。
貿易の仕事ではよく使う言葉ですが、意味を説明できますか?
英語で書くと”forwarder”。
輸出港・空港から、依頼すれば輸入者の倉庫まで、貿易の物流をまとめて引き受ける企業です。
フォワーダーにも種類がありますが、一般的な貨物利用運送事業のフォワーダーは船舶や航空機などの輸送手段を持たないのが特徴です。
輸出・輸入で国際物流を手配する荷主から荷物を集め、船会社・航空会社、電車やトラックの運送会社などと契約して貨物を輸送します。

フォワーダーのカバーする業務の種類

フォワーダーの業務範囲は広く、輸出入の物流に関するいろいろな仕事をカバーします。
・船舶や航空機などの国際輸送の手配
・港湾や空港での荷役の手配:船や航空機への積み下ろしや、沿岸・はしけ運送、倉庫の搬入・搬出や保管業務など
・コンテナのバンニング(コンテナに荷物を詰めること、バンともいう)やデバン(コンテナから荷物を取り出すこと)の手配
・船積書類などの書類の受け渡し
・通関業務
これに電車やトラックなどの国内輸送の手配も加わります。

どんな会社があるの?

物流業界で大手フォワーダー5社というと、日本通運、近鉄エクスプレス、郵船ロジスティクス、阪急阪神エクスプレス、西日本鉄道国際物流事業本部(にしてつ)を指します。
特に航空貨物の分野では大手フォワーダー5社のシェアが60%近くを占め、寡占状態になっています。
会社により、海上輸送に強みがある会社や、航空輸送が強い会社など、特色はそれぞれです。

フォワーダーのリストはこちら→ 国際フレイトフォワーダーズ協会のホームページ

フォワーダーの別の呼び方

フォワーダーを日本語で言い換えると、貨物利用運送事業の事業者、混載業者、貨物取扱業者となります。
海上輸送を扱う場合はNVOCC(Non-Vessel Operating Common Carrier、非船舶運航業者)、航空輸送の場合はエア・フレイト・フォワーダーと呼ばれています。

乙仲との違い

多くの人がフォワーダーとの違いが分からなくて悩む用語が「乙仲」です。
わかりやすくいうと、今はフォワーダーと乙仲はだいたい同じ意味で使われています。
乙仲は海運貨物取扱業者(海貨業者)の通称。元々は戦前の制度にあった業種の名称です。
言葉だけが残り、今は海外輸送の手配、通関業務を中心に、輸出入の物流に関する業務を扱う会社を指しています。
「通関業者」という言葉もあります。これは通関を代行する業者という意味。フォワーダーや乙仲は多くが通関業者でもあるのです。
実際に対応する業務は会社によって異なるので、依頼する際には業務内容を確認してください。

フォワーダーの中核業務「混載」って何?

フォワーダーの別の呼び方に「混載業者」があると前章でお伝えしました。
フォワーダーの中核となる仕事はこの「混載」なのですが、では「混載」するというのはどういうことか、見ていきましょう。
貨物を運ぶときには、一度に運ぶ貨物は大きい方が有利です。
貨物の量が多い方が船社や航空会社との交渉に有利ですし、小さな荷物だと効率的に運べずに割高になってしまいます。
そこで同じところ(仕向地)に向かう小口荷物をフォワーダーがまとめて、一つの大口貨物として船社や航空会社に運送を依頼しているのです。
そうすると大口貨物として安く運べるのがメリット。
船の場合はコンテナという世界共通規格の大きな容器を使って貨物を運搬するのが一般的なので、小さな荷物をコンテナに混載する(ほかの荷物と一緒に積む)ことで安全に効率よく作業できるというメリットもあります。

国際宅配便(クーリエ)との違い

国際宅配便(クーリエ)を運行する会社(例:FedEx、DHL、UPS)はインテグレーターと呼ばれます。
インテグレーターも広い意味でフォワーダーの一種ですが、航空機などの輸送手段を自社で持っているのが一般的なフォワーダーとの違いです。
キャリア(航空会社や船会社)のように輸送手段を持っていて、フォワーダーのように貿易物流に関わる手配をこなします。
フォワーダーとキャリアの両方の機能を併せ持っている業務形態です。
このため輸送と通関などの手続きを一連で進めることができ、ユーザーは手続きすることなしに迅速にDoor to Doorで荷物を受け取ることができるのです。
世界の物流企業ランキングではこれらの会社が上位を占めています。

フォワーダーは貿易に欠かせない業種

フォワーダーは貿易の物流をまとめて手配する会社です。
輸出港・空港から輸入者の倉庫まで、船・飛行機の手配から通関や国内物流まで、貿易の物流関係の仕事を一括して手配を引き受けます。
同時に、輸出・輸入する荷主とキャリア(船会社・航空会社)との間に立って、効率が良い物流を実現する役割も果たしています。
輸出・輸入で国際物流を手配するときには、フォワーダーに連絡することがほとんど。
フォワーダーは貿易に欠かせない仕事なのです。

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