小口輸入とは?小口輸入のやり方・輸送方法、個人輸入との違いを解説
小口輸入とは?
小口輸入とは、ビジネスを目的として、少量もしくは少額の貨物を輸入することです。
小口は数量や金額が小さいという意味で、読み方は「こぐち」。
小口輸入は特に定義は決まっていませんが、少量の輸入方法についての話で使う言葉です。
もう一つよく使うのが、いわゆる「個人輸入」、個人的使用目的と対比する場面。
小口輸入のやり方・関税、輸送方法の選び方、など、輸入転売ビジネスを中心に小口輸入を解説します。
小口輸入と個人輸入の違い
「個人輸入」は一般的には個人による輸入という意味です。「小口輸入」とは別の視点から見た言葉。
ところがややこしいことに、関税の話をするときには「個人的使用目的での輸入」を指していることがあります。
この場合には、個人的使用目的の輸入と、ビジネス目的の小口輸入は、対立する意味になります。
個人的使用目的の輸入とは?
自分で個人的に使用するものを輸入するときは、ビジネス目的より関税が安くなります。(課税価格=海外小売価格×0.6)
この場合転売はできません。
個人が輸入販売するのは正当なビジネスですが、個人的使用目的として輸入したものを販売すると違法(脱税)です。
販売目的の小口輸入なのに、税関に個人的使用目的と判断されてしまうことがありますが、販売するには面倒でも修正申告が必要になります。
小口輸入をするための手続き
輸入販売を始めるのに特に手続きはありません。資格や登録は不要です。
本格的に個人事業主として起業するなら、開業届を提出。
税関輸出入者コードを取得すると、通関が早くなり輸入手続きが楽になります。税関のホームページで申請できます。
許認可がいる商品も
商品によっては規制があり、輸入や販売などに許認可や承認・届出が必要な場合があるので要注意です。
法律が定めている手続きを完了していることを示せないと、輸入許可が下りません。
食品や食器・調理器具、乳児用おもちゃ、薬・化粧品・薬用せっけん、酒類など、対象は多岐にわたります。
分野によっては専門的な知識が必要なので、早めの確認がおすすめです。
このほか、コピー商品や爆発物のように輸入が禁止されているものもあります。
小口輸入のやり方
小口輸入による転売では、仕入れには消費者向けのインターネットショップ、販売もネット通販モールやメルカリなどのサービスがよく使われています。
海外のネットショップで購入
海外のネットショップで購入して、EMSや国際宅配便で送ってもらうという方法です。
よく使われる海外サイトは、AmazonやeBay、BUYMA(バイマ)、中国ならAliExpress(アリエクスプレス)など。
商品ページを自動翻訳も使って確認し、クリックするだけ。支払い方法もクレジットカード決済です。
海外発送OKのショップ・商品ならほとんど、日本のショップと同様に手続きなしで荷物が届けられます。
商談して購入
生産者や卸売業者(ディストリビューター)に直接連絡を取って購入することもできます。
数量がある程度多いか、今後の増加が見込める場合におすすめの方法です。
見本市・展示会やWEBサイトなどで探して、メールなどで連絡を取り、商品・価格・数量・取引条件(決済条件や、輸送方法、貿易の費用負担など)を取り決めて注文します。
支払い方法は電信送金やL/C(信用状)などが一般的です。
輸送方法は、国際郵便EMS、国際宅配便のほか、フォワーダー・通関業者などに依頼して航空便や船便を手配する方法があります。
現地で買い付け
手作りの雑貨・工芸品などは、生産地を巡って直接その場で買い付けるのも一つの方法です。
商品は手荷物で持ち帰るか、別送品として送ります。
ビジネス目的だと海外旅行者の免税範囲は適用されないので注意してください。携帯品の簡易税率が適用されます。
輸送方法の選び方
小口輸入の輸送方法は、納期や費用など重視するポイントで選びます。
荷物の大きさ・重さや内容(危険物など)によっては、船便になるものもあります。
スピード優先
一番早いのはDHLやFedExなどの国際宅配便(クーリエ便)です。早ければ出荷翌日に届きます。
EMSは1日くらい多くかかりますが、クーリエは高額なので、費用も考えたいならEMSが選択肢です。
航空便の場合は数日で届き、船便は地域により2週間から数カ月かかります。
費用優先
安く送る方法は、荷物の大きさや重さによって変わります。
段ボール数箱なら、費用が安いのはEMSや国際郵便。その次は国際宅配便です。クーリエは少量を送るのに適した運送方法なのです。
重量が合計数百kgの荷物では一般の航空便が安くなります。(軽くて大きい荷物は大きさから計算した容積重量を使用)
体積1M³を超えると船便の方が安い場合が出てきます。
料金は契約によって違うので、見積を取って比べてみてください。
尚、一般の航空便や船便の場合には、輸入者が通関手続きをする必要があり、通関業者に依頼するのが一般的です。
EMS・国際宅配便の比較はこちらの記事で詳しく解説しています。
小口輸入の関税
少額の輸入の場合、免税や簡易税率など、一般税率とは別の税率が適用されます。
関税がかからない金額
1回の輸入金額(商品代金に送料・保険料を足したもの、いわゆるCIF価格)が1万円以下の荷物には関税がかかりません。
輸入の際に関税と一緒にかかる消費税もこの場合は免税です。
課税価格20万円以下の簡易税率
1回の輸入金額(前項参照)が20万円以下の場合は、簡易税率という簡単な関税率を使います。
一般税率で使う実行関税率表は分類が非常に多く、当てはまる税率を自分で正しく読み解くのはやや困難です。
これに対して、簡易税率は品目区分が7つだけとシンプルなので、税関に問い合わせずにコスト計算ができます。
どちらも革靴やニットの服などは例外です。納税方法など、詳しくはこちらの記事で解説しています。
小口輸入の情報収集方法
小口輸入はネット通販を利用すれば国内と同じ感覚で仕入れができます。
関税も簡易税率を使えば計算が簡単。
輸入代行サービスを使うという方法もあり、小口輸入による販売は誰でも始められるビジネスといえます。
一方で、許認可のある商品や、輸送方法が制限されている商品などには要注意です。
ミプロや自治体が開催するセミナーへの参加や、相談窓口を積極的に活用して、正確な法規制の情報を確認するようにしてください。
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